未来を予見する最もよい方法は、自分で未来をつくってしまうことである。
(アラン・ケイ、MIT教授 パーソナルコンピュータの生みの親)
2012年12月31日月曜日
2012年12月30日日曜日
不正調査の面談技法
・面接技法の基礎
質問形式への配慮 開かれた質問(Open Questions、5W1H型)だけを使用する。閉じた質問(Closed Questions、Yes-No型、選択肢型)は特定の場合のみ使用する。
段階的アプローチ(Stepwise Approach, Phase Approach) あらかじめ設定された面接の段階に従ってして質問を展開する。
メタ意識:もう一人の自分が、話し手(自分)と聞き手の関係の変化を客観的に読み、話を展開する。
・段階的アプローチ
1. 事前準備
案件に関係した事実の入手に十分な時間をかける
対象者の人格、性格、履歴の分析
2. 導入段階(PHASE-1)
自己紹介
ラポールの確立(基本的な関係づくり) 雑談、場を温める、思いやりの言葉をかける
相手に答える気になってもらう。話を聞いてもらえる相手と思ってもらう。
面接の主題の確立(目的の説明)
「・・・・・いくつかの質問にお答えいただくことでお手伝いいただけないかと思っているのですが、よろしいでしょうか?」と質問し、相手に「はい」と言わせ、自分の意思でコミュニケーションに参加してもらう手続を踏む。
相手の性格、しゃべり癖を観察する
3. 情報収集の為の質問(PHASE-2)
ステップ1 自由報告「うながす」 相手に自由に語らせる
ステップ2 オープン質問「掘り下げる」 自由報告で得られた情報についてさらに「開かれた質問」で説明を求める
4. 情報収集の為の質問(PHASE-3)
ステップ3 特定的な質問「つっこむ」
ステップ4 選択肢による質問「もれを補う」 回答者が自発的に話していない内容について選択肢型の質問を行う
以上の段階で「どうも真実を語っていないようだ」と判断された場合は、以下の査定質問に移る。
5. 査定質問「ゆさぶりをかける」
センシティブな質問をなげかける。一般論を言って相手の反応を見る。「あなたの部署の誰かが、自分の行為を正当化して会社から物を盗む可能性があると思いますか?」「会社の資産を盗むことが正当化される場合があるのはなぜかと思いますか?」
6. 自白させる「落とす」
犯人と確信されれば自白させる。
7. 締めくくりの質問
上記の5. 6. に至らない場合でも、聴取内容の要点を整理し再確認する。協力への感謝の意を伝える。できるだけ前向きな雰囲気で終えるようにする(次回の面接の為)。
(青山学院大学社会情報学部 大学院社会情報学研究所 教授 高木光太郎)
2012年12月27日木曜日
分類する
分類判定による仮説の立案と検証
プロファイリング、リーディングの話を聞いている人には、彼らが予言しているように聞こえているのだが、実は彼らがやっていることは常に分類判定による仮説定義にすぎない。
彼らにとっては仮説は外れても当たり前、外れてくれても真実に近づけると考えている。仮説を立案して仮説を検証するというルーチンこそ、彼らの技術であり、その能力は有効な仮説を立案するために、どれだけの関連知識と経験を持っているかにかかっている。
立派なスーツを着ている人は勝ち組で、破れた服を着た人は負け組と思ってしまうのは仕方ないことだ。
ほとんどの場合はそうだからである。詐欺師はこの分類を逆手に取って、人をだましてしまう。捜査員もプロファイラーも同じことで、最初はやはりだまされてしまう。しかし、彼らが最後までだまされ続けないのは、分類はあくまでも仮説にすぎず、検証しなければならないということを知っているからである。
そして、その知識はかつてだまされたことがあるとか、だます人間を知っているという失敗や経験に裏打ちされている。残念ながら、机上の知識だけでだまされないようにするのは難しく、やはり現場での経験が長いということは、それなりの評価されるべき価値があるのである(長く勤めていても、「仮説は検証しなければならない」ということを理解していない人も中にはいるが)。
知識やデータのクレンジングが重要だ
最後に、知識やデータのクレンジングの重要性について触れておきたい。知識やデータを駆使した経営は一見格好がいいが、その知識やデータが古かったり誤っていたりすると、こっけいなことになる。
データ野球が直感野球に負けることがあるのはこのためである。それと、例外に出合うことが少なければ少ないほど、人は既存の知識やデータを真実のものと誤解しやすくなる。仮説を検証することを忘れて、真実と区別がつかなくなるのだ。このようなことがないようにするには、組織の中で経験を共有することが大切である。知識、データは人が使い回すものであり、知識、データに人が決して振り回されてはいけない。
(ビジネス刑事の捜査技術 第11回 Amazonのリコメンド機能と天気予報は同じ ―捜査技術の第6条「捜査のプロは分類能力が極めて高い」 杉浦司氏)
ターゲットを定義する
ターゲットの定義こそ肝心
不合理な思い込みに縛られ、大事な前提条件を見落としたままで、捜し物が首尾よく見つかることを期待する方がおかしい。捜査技術の第1条は、「ターゲット定義こそ肝心」である。短気な人はすぐに探しに出ようとするが、行動の前にまずは作戦会議が必要だ。
探したいものは何なのかについて、しっかりとした定義ができる前に歩き回っても徒労に終わるだけである。捜し物が何かについてあいまいさが残っていないか、人によってイメージするものが違っていないか、偏った思い込みに縛られていないか、などについて事前に確認しておくことが必要なのである。
下手な表現が命取りになることも
捜し物ははっきりしているのにその表現がうまくないために、ターゲット定義の情報が共有できていないことがある。
案内標識に従って道を進んで、違うところにたどり着いたという経験を持つ人はいないだろうか。案内標識を制作した人は、まさか自分の作った標識が違う理解をされるなどこれっぽっちも思ってはいない。インターネットショップで買い物をしようとして、サイト内で迷子になって帰っていく人がいることなど、ホームページの制作者には理解し難い話だろう。上司が部下に求めた仕事が、最後の報告で求めていたものと違っていたというケースも、ターゲット定義の情報が共有できていないことに起因している。
( ビジネス刑事の捜査技術 第6回 あなたはいったい何を探しているのか? 杉浦 司氏)
2012年12月24日月曜日
〇の会
呼吸力
「呼吸力」は「力」という字が使われていますが、技をかける側から、かけられる側に向かって流れる力ではなく、むしろお互いの中で動くエネルギーの主体は、技をかけられる側だと言えます。
二足直立歩行を始めた人類は、やがてその形態を既得のものとし、無意識不随意に行なえる様にまで進化しました。呼吸力は、その無意識不随意の身体能力の部分をコントロールすることによって、技を成立させる方法です。そのためには、技をかける側にも、相手の体の動きや力の方向にたいして、謙虚になることが要求されます。
結び
相手に手を取られて、その手との結びを作るとき、自分の下丹田に手を落とすと、遊びが消えて相手の下丹田と結ばれる。
そうすると、相手のバランスが崩れ、技に入ることができる。
インナーマッスル、ブロードマッスル
普段意識していない人体の深いところにある筋肉を活用することで、思わぬ体の動きや相対する相手の反応を引き出すことができるという、古来武道や療術の世界で、秘伝奥伝として相伝されてきた技術を、科学的に解き明かすためのキーワードだと考えています。
剣を振る
木剣を振る。
正しく振る。
体幹を使って、下丹田にある重心の移動だけが剣を動かす。
重心の移動によって派生した波が、背骨を伝わり肩を通り、上腕を経て肘を過ぎ、前腕から手首に至り剣の先端に流れていく。
剣尖には下丹田の重心の移動によって派生した波と地球の引力の合力がかかり、肩、肘、手首のユニバーサルジョイントを経て、邪魔されること無く腰の一点を中心として剣尖を先端とした弧を描くベクトルが産まれる。
アウターマッスル一切使われず、腰から指先迄の間にあるすべての関節は広がり伸びていく。
すべての技の大本が剣の正面打ちにある。
(○の会HPより 村本識如(むらもとのぶゆき)氏)
「呼吸力」は「力」という字が使われていますが、技をかける側から、かけられる側に向かって流れる力ではなく、むしろお互いの中で動くエネルギーの主体は、技をかけられる側だと言えます。
二足直立歩行を始めた人類は、やがてその形態を既得のものとし、無意識不随意に行なえる様にまで進化しました。呼吸力は、その無意識不随意の身体能力の部分をコントロールすることによって、技を成立させる方法です。そのためには、技をかける側にも、相手の体の動きや力の方向にたいして、謙虚になることが要求されます。
結び
相手に手を取られて、その手との結びを作るとき、自分の下丹田に手を落とすと、遊びが消えて相手の下丹田と結ばれる。
そうすると、相手のバランスが崩れ、技に入ることができる。
インナーマッスル、ブロードマッスル
普段意識していない人体の深いところにある筋肉を活用することで、思わぬ体の動きや相対する相手の反応を引き出すことができるという、古来武道や療術の世界で、秘伝奥伝として相伝されてきた技術を、科学的に解き明かすためのキーワードだと考えています。
剣を振る
木剣を振る。
正しく振る。
体幹を使って、下丹田にある重心の移動だけが剣を動かす。
重心の移動によって派生した波が、背骨を伝わり肩を通り、上腕を経て肘を過ぎ、前腕から手首に至り剣の先端に流れていく。
剣尖には下丹田の重心の移動によって派生した波と地球の引力の合力がかかり、肩、肘、手首のユニバーサルジョイントを経て、邪魔されること無く腰の一点を中心として剣尖を先端とした弧を描くベクトルが産まれる。
アウターマッスル一切使われず、腰から指先迄の間にあるすべての関節は広がり伸びていく。
すべての技の大本が剣の正面打ちにある。
(○の会HPより 村本識如(むらもとのぶゆき)氏)
2012年12月23日日曜日
相手の気をつかむ(2)
相手の気をつかんだ後、雑草を引き抜くときに手でつまんだ箇所で引き千切れないよう、根元から根こそぎ引っ張り抜くがごとく、引っ張る。直線でなく螺旋状に引っ張る。根こそぎ引き抜くコツは、意識を根元に置くこと。引っ張る手元は意識しない。
洞察する
「合理化」などの”ごまかし”を使わずに、望ましくない現実にきちんと直面し、理性で考えなさい、という、「洞察」と呼ばれる、不安、恐怖の処理の仕方だ。しかし、この「洞察」は精神分析のゴールとなっているほど、高度な理性やタフな精神力を必要とする手段でもある。
葛藤から目を背け、想像力も放棄して誰かに重要な決定を「白紙委任」してしまったり、刺激的な「二者択一の選択肢」の提示だけを要求し続けたりした結果、ナチスの虐殺や福島原発事故のような結果がもたらされた、とするのはあまりに極端な意見かもしれない。しかし、前者は歴史が証明していることであり、後者はいま実際に日本で起きている出来事なのである。
(短文形式のソーシャルメディアの情報を鵜呑みにする、誰かが名指ししてくれた「敵」を総攻撃する、意見が分かれる問題に二者択一を迫る、(自分の代わりに)すべてをはっきりさせてくれそうなリーダーを待望し、その人に白紙委任する)これらはいずれも、強い不安、葛藤を抱えた人たちが、それと向き合って洞察することをせずになんとか心の安定を保つための、いわば”苦肉の策”であることを指摘した。精神医学では、それらを「合理化」「否認」「躁的防御」「投影性同一視」「スプリッティング」などと呼ぶ。
「書き記す」
自分の感情、ときにはネガティブな感情も含めて、それを認め、受け止めながら記述し、後に振り返り、そこから現実を再構成して考える。
手間もかかれば、考えるための時間も必要だ。そしてなにより、そこで生起する自分の感情と率直に向き合う「若干の勇気」も必要になるだろう。
この「若干の勇気」を持てるかどうか。
それ自体はとても小さな選択だが、そのことが結果的にもたらすものはあまりに大きい。私はそう考えている。
(「独裁」入門 香山リカ著)
葛藤から目を背け、想像力も放棄して誰かに重要な決定を「白紙委任」してしまったり、刺激的な「二者択一の選択肢」の提示だけを要求し続けたりした結果、ナチスの虐殺や福島原発事故のような結果がもたらされた、とするのはあまりに極端な意見かもしれない。しかし、前者は歴史が証明していることであり、後者はいま実際に日本で起きている出来事なのである。
(短文形式のソーシャルメディアの情報を鵜呑みにする、誰かが名指ししてくれた「敵」を総攻撃する、意見が分かれる問題に二者択一を迫る、(自分の代わりに)すべてをはっきりさせてくれそうなリーダーを待望し、その人に白紙委任する)これらはいずれも、強い不安、葛藤を抱えた人たちが、それと向き合って洞察することをせずになんとか心の安定を保つための、いわば”苦肉の策”であることを指摘した。精神医学では、それらを「合理化」「否認」「躁的防御」「投影性同一視」「スプリッティング」などと呼ぶ。
「書き記す」
自分の感情、ときにはネガティブな感情も含めて、それを認め、受け止めながら記述し、後に振り返り、そこから現実を再構成して考える。
手間もかかれば、考えるための時間も必要だ。そしてなにより、そこで生起する自分の感情と率直に向き合う「若干の勇気」も必要になるだろう。
この「若干の勇気」を持てるかどうか。
それ自体はとても小さな選択だが、そのことが結果的にもたらすものはあまりに大きい。私はそう考えている。
(「独裁」入門 香山リカ著)
2012年12月22日土曜日
素振りを行う際の注意点(4)
素振り及び呼吸法を行う際には、親指の根本の筋肉を緊張させないように注意する。親指が緊張すると、体の内側の筋肉が緊張して、背中側の筋肉が使えない。親指の第一関節は外側に反るぐらいで良い。親指の第一関節の部分と小指の腹とを近づけるようにして、手のひらに窪みを作る。
含胸抜背(がんきょうばっぱい)(2)
胸は割らずに、胸を閉じて体の力を分散させないようにする。全く同様に、骨盤も割らずに閉じて、体全体の力を丹田に集める。大腰筋を体幹に向かって締めつけて力を体幹に集中させる感覚を作る。
素振りを行う際の注意点(3)
素振り及び呼吸法で腕を上げる際には、肩を力を入れて下げるのではなく、肩の力を完全に抜き、重力に任せて肩を真下に「落とす」。背骨のラインも完璧に垂直に真下に落とす。いささかも背骨を傾けて落としてはいけない。
2012年12月20日木曜日
力の使い方
合気道における力の使い方は、先ず第一に肩、首等上半身の力を全く抜き、臍下丹田に気力を充実すること、第二に手を開き五指を張って指先に力を入れる、ということである。指先に力を入れるのは、自然に重心を下にさげ、全身を硬直から救うことを意味している。
絶えず螺旋状に円運動をしてこそ生きた力の働きということができるのであろう。そしてその運動は極めて自然に、敏活であってしかも素直に、あたかもなだらかな螺旋状円運動のごときものでなければならぬ。
例を手刀にとれば、指先にまで気力を充実し、腹からの力で大きく螺旋状にふりかぶり振り下ろすという独特の力の出し方をするのである。腹から出た体全体の力を外へ外へ大きく出し、その力の発するところ、自己と宇宙と一体となるという合気観が、そこから生ずるのである。この力の使い方は、合気道練習上極めて重要なる基本事項の一つである。
(合気道 植芝吉祥丸)
気の流れ
人は無我の境に入れば、相手の動きを正しく察知することができるようになる。この直覚力は武道において特に必要とされる。先人は「先々の先」「先」「後の先」などということを述べているが、これは意識してやるのではなくて、自然に無意識に出来なくてはならぬ。すなわち彼我、勝敗を超越した絶対不動の心から発する、一体和合の気の流れにより、自己の動きの中に相手を入れてしまう至妙境において、何の分別をはさむ余地もなく、機に応じてすらすらと出て来る動きをいうのである。かくして自己の動きに相手が自然と知らず知らずついて来るようになるのである。彼の有名な兵法者鬼一法眼もことことについて、「来らば即ち迎え、去らば即ち送る。対すれば和す。五五住なり、二八十なり、一九十なり。即ちこれを以って和すべし云々」という言葉で表現している。これは、気の流れに従って体を裁いて行く動作の表現であって、相手が来るのを待っていて迎え、然る後送るのではなく、相手が出て来なくてはならぬ気持ちにまで追い込み、これを捌いて行く極処を説いているのである。こうした気の流れについて、言うは易いが、真の会得は勿論一通りや二通りの修業で得られるものではなく、先ず姿勢、間合い等形を正しくすることから始めて、不断の鍛錬により遂にはあらゆる面が渾然一体となる境地に達するのである。(「合気道」 植芝吉祥丸)
2012年12月19日水曜日
沖データ不正会計処理
A氏は経営者として高い評価が固定化しており、同氏に対し疑問をぶつけることや、同氏の方針と異なる提案をすることは容易ではなく、実際、同氏の反対を排して、計画を実践するということはほとんどなかった。
組織的にOSIBの不適切な会計処理を隠蔽しようとしたことは認められないものの、当時社長であったE氏がその深い問題性を認識しながら、結果として、途中でその処理を放棄するような形になったことは極めて不適切であり、ODCもその点に対する非難を免れることはできない。
最終的にそこまでA氏を不適切な会計処理に駆り立てた真の理由を明らかにすることはできなかった。
会計監査人等に会計処理の適切性について相談することなく漫然ととその報告を受け入れたのは、適切な判断とは言い難い。これは、関係者において実態を直視することにより問題が明瞭になることを避けようという考えが働いた可能性が否定できない。
(当社海外連結子会社の不適切な会計処理に関する調査結果等について 平成24年9月22日 沖電気工業㈱ 平成24年9月11日 沖電気工業㈱外部調査委員会)
2012年12月15日土曜日
沈肩墜肘(ちんけんついちゅう)
両肩を落として下に沈め、あらゆる動きの中で常に肘(ひじ)を下を向ける。
呼吸法で腕を上げるときも、肩を下に沈める。肘を横ではなく下に向ける。
意識的に両肩を落とし、肩で胸部の背骨を骨格上ロックする位置を探る。背骨がロックされると猫背にならない、猫背になろうとしてもなれない。
弓道の型で稽古をする
引き分け(弓を引く)の後の三分の一のところで静かに気息を丹田に収める
会(かい)とは、弓を引ききり、矢は的を狙い、矢を射る寸前の状態、およびその境地(含胸抜背、沈肩墜肘)
離れ(はなれ)とは、矢を放つ、放たれること
2012年12月13日木曜日
含胸抜背(がんきょうばっぱい)
含む(涵)とは、物事を包容できるように空間を作る、余裕を持つ 柔らかく保つこと。
胸を含ませるとは、胸部にある心臓と肺の動きに余計な制限を与えないこと。
胸は張らない、胸を割らない(胸は開かずに閉じる)。 「胸襟を開く」のは、心を許した特別な状態でのみ行なうもの。
胸を含ませるとは、胸部にある心臓と肺の動きに余計な制限を与えないこと。
胸は張らない、胸を割らない(胸は開かずに閉じる)。 「胸襟を開く」のは、心を許した特別な状態でのみ行なうもの。
胸を張る、胸を割ると両肩が後ろに引ける(正しい姿勢は、両肩は後ろに引くのでなく、下げる)。
また、胸を割ると背骨が後ろに反って、背骨が真っ直ぐでなくなる。
「背を抜く」とは、気が背中のラインを淀みなく抜ける(流れる)ように背骨を真っ直ぐにすること。
2012年12月10日月曜日
分析の視点
(1)物事の仕組みをコンヒ゜ュータの機能に置き換えて考える
入力、演算、制御、記憶、出力、
事柄、事象を見る場合は、現象としてのOUTPUTだけを見るだけではなく、
INPUTも見て、それがどのように演算、制御、記憶されてOUTPUTとして表れているかを見る。
(2)分析の「視点」を具体的な言葉にする。
経済性、有効性、効率性、信頼性、安全性
目的適合性、適時性、利便性、有用性、操作性、機能性、拡張性
2012年12月9日日曜日
智力を得る
(二天一流の)剣術が実(まこと)の道となって、敵と戦って勝つこと、この法(原則)は聊(いささ)かも変わるはずはない。
我が二天一流兵法の智力を会得して、正しい道を修行するならば、勝つことは疑いないことなのである。
(五輪書 火の巻 宮本武蔵 大倉隆二 訳)
1.智力を会得する。
2.正しい道を修行する。
この両方を行わなければならない。理のない修行をしても無駄である。智力を会得し、戦いの理を知った上で修行をする必要がある。
我兵法の智力を得て、直なる所をおこなふにおいては、勝事うたかひ有へからさる者也。
我が二天一流兵法の智力を会得して、正しい道を修行するならば、勝つことは疑いないことなのである。
(五輪書 火の巻 宮本武蔵 大倉隆二 訳)
1.智力を会得する。
2.正しい道を修行する。
この両方を行わなければならない。理のない修行をしても無駄である。智力を会得し、戦いの理を知った上で修行をする必要がある。
我兵法の智力を得て、直なる所をおこなふにおいては、勝事うたかひ有へからさる者也。
飽きるのは自分の成長が止まっているから
いったん自分のものとなり、少しばかり時間がたつと、つまらないもののように感じ始める。それが物であっても人間であってもだ。
すでに手に入れて、慣れてしまったから飽きるのだ。けれどもそれは、本当は自分自身に飽きているということだ。手に入れたものが自分の中で変化しないから飽きる。すなわち、それに対する自分の心が変化しないから飽きるのだ。つまり、自分自身が成長し続けない人ほど飽きやすいことになる。
そうではなく、人間として成長を続けている人は、自分が常に変わるのだから、同じものを持ち続けても少しも飽きないのだ。
(超訳ニーチェの言葉 No.069 白鳥春彦編訳)
すでに手に入れて、慣れてしまったから飽きるのだ。けれどもそれは、本当は自分自身に飽きているということだ。手に入れたものが自分の中で変化しないから飽きる。すなわち、それに対する自分の心が変化しないから飽きるのだ。つまり、自分自身が成長し続けない人ほど飽きやすいことになる。
そうではなく、人間として成長を続けている人は、自分が常に変わるのだから、同じものを持ち続けても少しも飽きないのだ。
(超訳ニーチェの言葉 No.069 白鳥春彦編訳)
2012年12月8日土曜日
監査と検査の違い(2)
自分は「検査」をやっている、と思っている人は、発見した事項を全て報告書に記載する。なぜなら、検査結果を全て記載しないと検査漏れになってしまうからだ。
”検査”報告書を読んだ読者から検査結果を見て、「それがどうしたの? So what?」と問われたとしても、検査員は答える必要がない。なぜなら、検査結果の評価は検査員の業務範囲ではないからだ。
”検査”報告書を読んだ読者から検査結果を見て、「それがどうしたの? So what?」と問われたとしても、検査員は答える必要がない。なぜなら、検査結果の評価は検査員の業務範囲ではないからだ。
細胞の入れ替わる速度
新陳代謝によって人間の細胞の入れ替わる速度
腸微絨毛は、1日
胃粘膜は、3日
4.5~5Lの血液は、100~120日間で全て入れ替わる
筋肉は、約200日(入れ替わりの早い細胞は1ヶ月で約60%)
脳は、約1年(入れ替わりの早い細胞は1ヶ月で40%)
骨は、幼児期1年半、成長期2年未満、成人2年半、70歳以上約3年
(香川大学医学部麻酔科医・佐藤和子先生)
千日(3年)の稽古を鍛とし、万日(30年)の稽古を練とす。よくよく吟味有るべきもの也。
(宮本武蔵)
3年稽古を続ければ骨格が稽古に応じたものに入れ替わる。血は3年間で8-10回入れ替わる。
筋肉は入れ替わりの遅い細胞を入れても3年間で5回入れ替わる。
稽古を続けて、筋肉の細胞が5回入れ替われば、something newの体になれるだろう。
骨格の細胞が入れ替わった段階を鍛とし、鍛を10回繰り返して練とす。
70歳を超えても骨の細胞まで入れ替わるという事実をよくよく理解し、稽古を続けるべし。
2012年12月6日木曜日
型の稽古
蹴つまずいて、立ち直る動作を「おこつく」という。勘三郎さんは何千回と稽古し、自分の型をつくった。役者にとって型は基本中の基本だ。それに心がついてきて、「型破り」になる。型を知らないと、「型なし」だと本社記者に語っていた。(東京新聞朝刊 筆洗 2012年12月6日)
2012年12月3日月曜日
素振りを行う際の注意点(2)
木剣あるいは杖を、スターウォーズの映画に出てくるライトセーバー(lightsaber)に見立てる。ライトセーバーの外観は全長30センチ程の棒状の器具であり、起動すると先端に長さ1メートル程の光り輝く刀身が生成される。光り輝く部分が「気」の刃であり、「気」の杖であると想像する。
木剣を持たずに技をかける場合にも、あたかも木剣を両手で持っているかのように、両手を体の中心軸の前に構え、木剣を振り上げるがごとく両手を上げる。「エア木剣」を振る。
木剣を持たずに技をかける場合にも、あたかも木剣を両手で持っているかのように、両手を体の中心軸の前に構え、木剣を振り上げるがごとく両手を上げる。「エア木剣」を振る。
2012年11月28日水曜日
報告書の書き方
・正確を第一とする
・読んで一発でわかる文章をつくる。※
・監査先の「何が問題なのか」を徹底的に考え、そのキーワート゛を探す。
・探し出したキーワート゛を基に文章を組み立てる。
※簡潔・明瞭を良しとする。幹だけを書き、枝葉は書かない。主語(S)、述語(V)は文の前にもって来る。主語を書くことを忘れない(日本語は主語が無くても文になってしまう故)。キーワードを出来るだけ文章の前にもってきて、読者にキーワードを訴える。
自分で書いたト゛ラフトを黙読しながら、自分でツッコミを入れて、最終的にはツッコミを入れられない文章になるまで何度も何度も加筆修正していく。
ツッコミ例:
それは誰がやったことやねん?(主語が書いてないぞ)
それはいつ・どこの話やねん?
それでどうしたんねん?(結果が書いてないぞ)
その言葉の意味はなんやねん?(お前はその業界用語を知ってるかもしれないが俺は知らんぞ)
なんでそうなったんねん?(事象・現象のみを言われても全体像が把握できないぞ 原因・背景の説明をしてくれ!)
「これ」と「それ」との関係はなんやねん?(文章と文章の論理のつながりがおかしいぞ)
それで結局なにが言いたいねん?(主題が何かわからんぞ)
パラグラフライティング
「パラグラフライティング」とは、何らかのテーマについて説明するときに、まず論理展開を構成するトピック(論理構成単位)を抽出して、トピック毎に一つの段落(パラグラフ)を作成し、それらの段落(パラグラフ)を組み合わせて論理を展開していく手法のこと。
重要なホ゜イントは、一つの段落(パラグラフ)には一つのトピックだけを扱うことであり、かつ、各段落(パラグラフ)の冒頭に、各段落 (パラグラフ)の主題を端的に表現した一文(要約文、「トピックセンテンス」という)を入れて読者の理解を手助けする。
各段落(パラグラフ)に見出しをつける。見出しの言葉はキーワードそのもの。見出しをつけられない、キーワードでまとめられない段落(パラグラフ)は、段落(パラグラフ)の中にトピックが複数あるか、あるいはトピックが特定されていないということ。
シンプルでわかりやすい論理を展開するコツは、結論から先に書くこと。何らかのテーマについて説明するときには、テーマの結論を最初に書き、ついで個々の根拠にあたるトピックを展開していく。
2012年11月27日火曜日
相手の気をつかむ
一教の構えのとき、自分の意識で相手の胸の高さにある背骨をつかむ(体のラインに沿ってつかみに行く必要はない。直線でつかみに行く)。相手と接触している手の箇所からつかんだ所を引っ張るときには、相手の体のラインに沿って引っ張る。
合気道では「結ぶ」という言葉を使うが、「つかむ」という言葉の方が直接的な表現でわかりやすい。
合気道では「結ぶ」という言葉を使うが、「つかむ」という言葉の方が直接的な表現でわかりやすい。
素振りを行う際の注意点
1.腕を上げる時には、肩は逆に下げる
2.肋骨を開かない。肋骨を常に閉じる。息を吐き切ったときの胸の状態。上半身を卵の殻に例えるならば、胸の前の殻が割れて、カパッと殻が開かないように、即ち肩が後ろに反らないように気をつける。胸を張る意識よりむしろ猫背気味。背骨は反らさない。木剣を振り上げたときにも肋骨を開かないように注意する。
3.木剣全体に気を充満させる。打つときには打つ点に気を集める。切るときには木剣全体に充満した気をそのまま維持する。木剣や杖の稽古とは、体を離れたところまで気を送り、操る訓練という事。
4.撞木の足さばきでも、内股は常に絞る。クラッシックバレーの白樺のポーズと同じ。骨盤を立てる。
練習方法:空手の三戦(サンチン)の構え 上記を留意しながら、両肘をくっつけるように力を入れ、腕を上げる(肩は下げる)
2.肋骨を開かない。肋骨を常に閉じる。息を吐き切ったときの胸の状態。上半身を卵の殻に例えるならば、胸の前の殻が割れて、カパッと殻が開かないように、即ち肩が後ろに反らないように気をつける。胸を張る意識よりむしろ猫背気味。背骨は反らさない。木剣を振り上げたときにも肋骨を開かないように注意する。
3.木剣全体に気を充満させる。打つときには打つ点に気を集める。切るときには木剣全体に充満した気をそのまま維持する。木剣や杖の稽古とは、体を離れたところまで気を送り、操る訓練という事。
4.撞木の足さばきでも、内股は常に絞る。クラッシックバレーの白樺のポーズと同じ。骨盤を立てる。
練習方法:空手の三戦(サンチン)の構え 上記を留意しながら、両肘をくっつけるように力を入れ、腕を上げる(肩は下げる)
発見事項をカテゴライズする(修正版)
1.内部統制の域内で発生した事象
1-1 統制環境の不備を原因とする事象 (想定外の組織内外の環境の変化や非定型的な取引に対して未対応のケースを含む)
1-2 統制活動の不備を原因とする事象 (想定外の組織内外の環境の変化や非定型的な取引に対して未対応のケースを含む
1-3 監視活動の不備を原因とする事象
2.内部統制の域外で発生した事象
2-1 経営者による内部統制の無視management override(内部統制の無効化)
2-2 複数の社員によるなれ合い・黙認・共謀(内部統制の無効化)
2-3 不注意・判断の誤り
2-4 コストを考慮して、リスクの高い分野から重点的に内部統制の構築を行う以上、不正や不祥事が絶対に起こらないというハ゜ーフェクトな統制システムを期待することはできない(内部統制システム固有の問題)
2-5 発生可能性・影響度が共に低く、受容レヘ゛ルにあるリスク故に内部統制を構築していない
2012年11月25日日曜日
内部監査の目付けの事
「木を見て森を見る」
「木を見て森を見る」の言葉には複数の意味・主張が込められている。よくよく吟味すべし。
「木を見て森を見ず」ということわざは、物事の一部分や細部に気をとられて全体を見失うこと、小さなことに心をうばわれ全体を見通さないことを意味し、「木(細部)を見ないで森(全体)を見なさい」という教えを伝える言葉であるが、本当の全体を知る為には、また物事の本質を探るためには、細部にこそ気をつけなければならない。細部に気をつけてこそ本当の全体が見える、本質が見える。「木を見ないで、森の外観・外面だけを見ても本当の森はわからない。木を見ることによって初めて本当の森がわかる。」
全体(森)は部分(木)の集合体として構成されている。「部分」は「他の部分」との関係(縁)を持つことによって部分として存在・成立している。「他の部分」も様に「また別の他の部分」との関係(縁)を持つことによって部分として存在・成立している。この「他の部分との関係(縁)」は全体に繋がるネットワークとなり、このネットワークの中に全体の情報が包含される。「全体の情報(森)に繋がっている部分(木)を見れば全体の情報(森)がわかる」
CONNECTING THE DOTS: You can’t connect the dots looking forward, you can only connect them looking backwards. So, you have to trust that the dots will somehow connect in your future. (Steve Jobs)先を見て点と点を結びつけることは出来ないが、過去を振り返ると繋げることができる。点と点が将来なんらかの形で繋がることを信じなければならない。「点(木)と点(木)をつなげていくと、全体(森)という結果に到達することを信じる」
兵法の目付けといふ事。眼の付け様は大きに広く付くるなり、観見の二つあり、観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、近き所を遠く見ること兵法の専なり(五輪書)「木を見ると同時に森を見る」
内部監査実施の初めには「森を見る」。監査先のあらまし(概要)、見立て(戦略)を初めに見て、それらを知る。大きなる所より小さき所を知り、浅きより深きに至る(五輪書)。多きなる所は浅き所であり、小さき所は深き所である。「初めは森を見る。次からは木を見て森を見る。」
2012年11月23日金曜日
監査マニュアルの功罪
監査におけるマニュアルやチェックリストなどは、二流の監査人が三流に落ちないための底上げ的な意味合いでは意義があります。しかし、往々にして、それらに頼ることで、監査における思考停止が起こってしまうという弊害があり、決して、二流の監査人が一流の監査人にステップアップするために意義があるとはいえないのが実感です。
監査の形骸化を生んでいるのは、実は、これまで最も大切だといわれてきた監査基準と監査計画に依存してしまって起こる監査人の思考停止や感受性・違和感の欠如というリスク要因だということを知る必要があるでしょう。
監査基準にさえ依存しておけばよい、という心理が監査人における思考停止を生み、現場のそこかしこに見受けられる問題解決の糸口や監査人が感知すべき違和感などを見落とさせ、ヒトとヒトの千変万化の実態を見誤ることになっている方々が多くいらっしゃいます。
(戸村智憲著 監査心理学 感じる監査)
発見事項をカテゴライズする
監査実施によって発見した事項を下記の8項目にカテゴライズし、重要度・影響度を判断する。
(1)不正
(2)法令違反
(3)内部統制の限界である「内部統制の無視(なれあい・黙認・共謀、経営者による内部統制のoverride)」によって発生した事象
(4)内部統制自体の不備(アナ・ホコロビ) 環境の変化に内部統制システムが対応していないケースを含む
(5)内部統制の不備を原因として発生した事象
(6)費用対効果の観点よりコントロールを設けておらず、内部統制の不備と言えないが、当該コントロール上の原因により発生した事象(監査先が、コントロールは整備されていないことを認識し、かつリスクをとっていることも認識している状態)
(7)リスクマネジメントの観点より「受容レベル(発生可能性・影響度が共に低く、リスクが受容レベルにある故コントロールを設けない)」の範疇に含まれる事象
(8)内部統制の限界である「不注意」の範疇に含まれる事象
(1)不正
(2)法令違反
(3)内部統制の限界である「内部統制の無視(なれあい・黙認・共謀、経営者による内部統制のoverride)」によって発生した事象
(4)内部統制自体の不備(アナ・ホコロビ) 環境の変化に内部統制システムが対応していないケースを含む
(5)内部統制の不備を原因として発生した事象
(6)費用対効果の観点よりコントロールを設けておらず、内部統制の不備と言えないが、当該コントロール上の原因により発生した事象(監査先が、コントロールは整備されていないことを認識し、かつリスクをとっていることも認識している状態)
(7)リスクマネジメントの観点より「受容レベル(発生可能性・影響度が共に低く、リスクが受容レベルにある故コントロールを設けない)」の範疇に含まれる事象
(8)内部統制の限界である「不注意」の範疇に含まれる事象
職業的猜疑心とは
内部監査人に求められる「職業的猜疑心」とは、監査先の説明の根底にある基準で考え・判断するのではなく、先入観、固定観念を捨て、自ら基準をゼロベースで考え、ゼロから基準を組み立て、その基準で物事を考える精神的態度、思考方法の事。猜疑心とは、物事を疑うことではなく、常に物事の本質を探ろうとする精神的態度・思考方法のことを言う。
いざという時に自然に身体が動かせるように、動揺しない精神状態を保つ。そのために、思考パターンの回路を常に解体しては作り替える、心を一箇所に留めない「自在心」が重要になってくる。(長野俊也著 武術のヒケツ)
いざという時に自然に身体が動かせるように、動揺しない精神状態を保つ。そのために、思考パターンの回路を常に解体しては作り替える、心を一箇所に留めない「自在心」が重要になってくる。(長野俊也著 武術のヒケツ)
2012年11月19日月曜日
面談者の心持ちの事(不正調査)
受容的な態度を保つ(相手方は監査人にプレッシャーを感じていることを知る)
情報収集者としての態度を保つ(監査人は、不正を暴いたり裁いたりする立場ではない)
中立的な態度を保つ(スジ読みし過ぎると情報が見えなくなる)
専門家としての態度・精神状態を保つ(相手よりも自分の方が専門家であるという矜持、自分の能力を信じて抱く誇り・自負、を保つ。矜持は、能力向上への真剣な取り組みを常に行うことにより得られるもの。不勉強のカライバリは相手にすぐバレる。)
(青山学院大学社会情報学部 大学院社会情報学研究所 教授 高木光太郎)
情報収集者としての態度を保つ(監査人は、不正を暴いたり裁いたりする立場ではない)
中立的な態度を保つ(スジ読みし過ぎると情報が見えなくなる)
専門家としての態度・精神状態を保つ(相手よりも自分の方が専門家であるという矜持、自分の能力を信じて抱く誇り・自負、を保つ。矜持は、能力向上への真剣な取り組みを常に行うことにより得られるもの。不勉強のカライバリは相手にすぐバレる。)
(青山学院大学社会情報学部 大学院社会情報学研究所 教授 高木光太郎)
2012年11月18日日曜日
監査と検査の違い
内部監査は健康診断、定期検診に例えられる。「検診」とは検査と診断の2段階を構成する言葉である。検査とは血液検査、尿検査等、体の各機能の状態を測定器で数値化することを言う。検査は一般的に看護師が行う。一方、診断とは、検査結果を基に医師が患者と問診等を行い、診断すなわち評価を行うことを言う。評価とは症状の原因を指摘し、その上で「お酒を控えましょう」「もっと運動をしましょう」「睡眠をよくとりましょう」「再検査を実施してください」等の、総合的かつ根本的な改善策を提示することである。ここまでやって「健康診断」「健康検診」であって、血液検査、尿検査だけでは診断、検診とは言わない。検査だけ行って「血圧が高いので、血圧を下げましょう」と言われてもそれは診断でも何でもない、改善の役に立たない言葉である。
監査は監査先の改善に役立つよう、上記で言う「診断」「検診」まで行うものである。即ち、内部監査人は医者であって、看護師ではない。看護師の仕事も行うが、医者として仕事を行い、診断書を書いて(監査報告書を書いて)初めて診断した(監査した)と言うことができる。内部監査人は自分を看護師と思ってはいけない。看護師の立場で診断書を書くことは医師法違反である。いや、看護師である自分は診断書のドラフトを書くだけであって、最終的な診断書には医師(監査部長)がサインするのだといっても、看護師に診断書のドラフトを書かせる医者は医者として失格である。そもそも内部監査人は看護師(検査担当)ではない。内部監査人は医者(診断担当)である。
監査は監査先の改善に役立つよう、上記で言う「診断」「検診」まで行うものである。即ち、内部監査人は医者であって、看護師ではない。看護師の仕事も行うが、医者として仕事を行い、診断書を書いて(監査報告書を書いて)初めて診断した(監査した)と言うことができる。内部監査人は自分を看護師と思ってはいけない。看護師の立場で診断書を書くことは医師法違反である。いや、看護師である自分は診断書のドラフトを書くだけであって、最終的な診断書には医師(監査部長)がサインするのだといっても、看護師に診断書のドラフトを書かせる医者は医者として失格である。そもそも内部監査人は看護師(検査担当)ではない。内部監査人は医者(診断担当)である。
2012年11月14日水曜日
力の根源
「底力を出す」「本腰を入れる」という言葉を能々吟味すべし。
力は想念のはるか彼方にある。自己の限界を作るのは自分の想念である。本来の力はそれを超えたところにある。それを引き出すことを鍛錬という。
力は想念のはるか彼方にある。自己の限界を作るのは自分の想念である。本来の力はそれを超えたところにある。それを引き出すことを鍛錬という。
2012年11月13日火曜日
本質を探る思考方法の事
抽象度を上げることが、本質を探る思考方法の本質である。抽象とは、物事や存在の本質を、より少ない情報で表わす事。
「どうして、こうなってるんだろう?」と自身に問いかける。「なぜ、そうなのか?」と、どんどん抽象度を上げて、そのカラクリについて考えてみる。
「何が問題なのか」を徹底的に考え、そのキーワート゛を探す。
「シンプルは複雑よりも大変だ。努力して考えを整理しないと、シンプルにすることはできない。でも、これはそれだけの価値があることだ。なぜなら、一端、そこまでたどり着ければ山だって動かすことができるからだ。」(Steve Jobs)
経験したことのない未知の問題に対し、これまでに経験したことや知識と、抽象度の高い思考とを結びつけることで、「答え」・・・具体的な解決策を見つけ出せる。
抽象度を上げる為に、本を読み、場数を踏み、知識量、経験量を増やす。
情報量を少なくし、限定する条件を取り外していくことで、しがらみから自由になり、より大きな視点に立って物事を見ることができるようになる。(苫米地英人)
「どうして、こうなってるんだろう?」と自身に問いかける。「なぜ、そうなのか?」と、どんどん抽象度を上げて、そのカラクリについて考えてみる。
「何が問題なのか」を徹底的に考え、そのキーワート゛を探す。
「シンプルは複雑よりも大変だ。努力して考えを整理しないと、シンプルにすることはできない。でも、これはそれだけの価値があることだ。なぜなら、一端、そこまでたどり着ければ山だって動かすことができるからだ。」(Steve Jobs)
経験したことのない未知の問題に対し、これまでに経験したことや知識と、抽象度の高い思考とを結びつけることで、「答え」・・・具体的な解決策を見つけ出せる。
抽象度を上げる為に、本を読み、場数を踏み、知識量、経験量を増やす。
情報量を少なくし、限定する条件を取り外していくことで、しがらみから自由になり、より大きな視点に立って物事を見ることができるようになる。(苫米地英人)
本質を探る心持ちの事
事実を見るには勇気がいる(タ゛ーウィン)
ひとつの事を連続72時間考え続け、もどかしさに耐え続ける知的体力を持つ。
命の限りを尽くす。真剣になれば対象を静かに観察できる
「何か問題を解決しようと取り組むと、最初は非常に複雑な解決方法が頭に浮かんでくる。多くの人々は、そこで考えるのを止めてしまう。でも、そこで止めず、問題をさらに突き詰め、たまねぎの皮をもう何層かむくように頑張っていると、しばしば非常にエレガントかつシンプルな答えにたどりつくことができる。多くの人々は、そこにたどり着くまでの時間もエネルギーもかけていないのだ」(Steve Jobs)
お客様のことを思うと自分が消える。無心になれる。自我意識を消して、原始感覚を立ち上がらせる。
「本質がわかった!」という"未来に既に起きた”時点から現在に向かって時間を逆流させる。この、時間が逆流する感覚、即ち未来の結果が実現した時点が現在の時点まで逆流して、未来の事が現在に起こっている感覚、を「スリル感、ゾクゾク感」という。
ひとつの事を連続72時間考え続け、もどかしさに耐え続ける知的体力を持つ。
命の限りを尽くす。真剣になれば対象を静かに観察できる
「何か問題を解決しようと取り組むと、最初は非常に複雑な解決方法が頭に浮かんでくる。多くの人々は、そこで考えるのを止めてしまう。でも、そこで止めず、問題をさらに突き詰め、たまねぎの皮をもう何層かむくように頑張っていると、しばしば非常にエレガントかつシンプルな答えにたどりつくことができる。多くの人々は、そこにたどり着くまでの時間もエネルギーもかけていないのだ」(Steve Jobs)
お客様のことを思うと自分が消える。無心になれる。自我意識を消して、原始感覚を立ち上がらせる。
「本質がわかった!」という"未来に既に起きた”時点から現在に向かって時間を逆流させる。この、時間が逆流する感覚、即ち未来の結果が実現した時点が現在の時点まで逆流して、未来の事が現在に起こっている感覚、を「スリル感、ゾクゾク感」という。
2012年11月11日日曜日
コントロールとリスクマネジメント
車の運転に例えると、コントロールとは目的地に到達するように、かつ予定時刻に到達するように、ハンドル、アクセル、ブレーキを適切に使いながら、道を外れないように運転すること。リスクマネジメントとは、運転中に遭遇する障害を避けて、また道から外れたら元の道に戻るように、ハンドル、アクセル、ブレーキを適切に使いながら運転すること。雨が降ればワイパーを遣い、夜になればヘッドライトを付ける。「運転」には止まることも、バックすることも含まれる。ハンドル、アクセル、ブレーキを使い、時にワイパーやヘッドライトを使うという点では、コントロールもリスクマネジメントも同じであり、コントロールとリスクマネジメントは、同じことを別の視点から述べた言葉である。「同じこと」とは、「目的地に、予定時刻に到達するように運転すること」である。
2012年11月8日木曜日
CODE OF ETHICS
内部監査を学ばんと思う人は、道を行う法(指針)あり。
Code of Ethics — Principles Internal auditors are expected to apply and uphold the following principles:
Integrity The integrity of internal auditors establishes trust and thus provides the basis for reliance on their judgment. よこしまなき事を思う所 役にたたぬ事をせざる事
Objectivity Internal auditors exhibit the highest level of professional objectivity in gathering, evaluating, and communicating information about the activity or process being examined. Internal auditors make a balanced assessment of all the relevant circumstances and are not unduly influenced by their own interests or by others in forming judgments.
Confidentiality Internal auditors respect the value and ownership of information they receive and do not disclose information without appropriate authority unless there is a legal or professional obligation to do so.
Competency Internal auditors apply the knowledge, skills, and experience needed in the performance of internal audit services. 道の鍛錬する所 諸芸にさわる所 諸職の道を知る所 物ごとの損得をわきまゆる事 諸事目利きを仕覚ゆる事 目にみえぬ所を悟って知る事 わずかなる事にも気を付くる事
Rules of Conduct
1. Integrity Internal auditors: 1.1. Shall perform their work with honesty, diligence, and responsibility. 1.2. Shall observe the law and make disclosures expected by the law and the profession. 1.3. Shall not knowingly be a party to any illegal activity, or engage in acts that are discreditable to the profession of internal auditing or to the organization. 1.4. Shall respect and contribute to the legitimate and ethical objectives of the organization.
2. Objectivity Internal auditors: 2.1. Shall not participate in any activity or relationship that may impair or be presumed to impair their unbiased assessment. This participation includes those activities or relationships that may be in conflict with the interests of the organization. 2.2. Shall not accept anything that may impair or be presumed to impair their professional judgment. 2.3. Shall disclose all material facts known to them that, if not disclosed, may distort the reporting of activities under review.
3. Confidentiality Internal auditors: 3.1. Shall be prudent in the use and protection of information acquired in the course of their duties. 3.2. Shall not use information for any personal gain or in any manner that would be contrary to the law or detrimental to the legitimate and ethical objectives of the organization.
4. Competency Internal auditors: 4.1. Shall engage only in those services for which they have the necessary knowledge, skills, and experience. 4.2. Shall perform internal audit services in accordance with the International Standards for the Professional Practice of Internal Auditing (Standards). 4.3. Shall continually improve their proficiency and the effectiveness and quality of their services.
Code of Ethics — Principles Internal auditors are expected to apply and uphold the following principles:
Integrity The integrity of internal auditors establishes trust and thus provides the basis for reliance on their judgment. よこしまなき事を思う所 役にたたぬ事をせざる事
Objectivity Internal auditors exhibit the highest level of professional objectivity in gathering, evaluating, and communicating information about the activity or process being examined. Internal auditors make a balanced assessment of all the relevant circumstances and are not unduly influenced by their own interests or by others in forming judgments.
Confidentiality Internal auditors respect the value and ownership of information they receive and do not disclose information without appropriate authority unless there is a legal or professional obligation to do so.
Competency Internal auditors apply the knowledge, skills, and experience needed in the performance of internal audit services. 道の鍛錬する所 諸芸にさわる所 諸職の道を知る所 物ごとの損得をわきまゆる事 諸事目利きを仕覚ゆる事 目にみえぬ所を悟って知る事 わずかなる事にも気を付くる事
Rules of Conduct
1. Integrity Internal auditors: 1.1. Shall perform their work with honesty, diligence, and responsibility. 1.2. Shall observe the law and make disclosures expected by the law and the profession. 1.3. Shall not knowingly be a party to any illegal activity, or engage in acts that are discreditable to the profession of internal auditing or to the organization. 1.4. Shall respect and contribute to the legitimate and ethical objectives of the organization.
2. Objectivity Internal auditors: 2.1. Shall not participate in any activity or relationship that may impair or be presumed to impair their unbiased assessment. This participation includes those activities or relationships that may be in conflict with the interests of the organization. 2.2. Shall not accept anything that may impair or be presumed to impair their professional judgment. 2.3. Shall disclose all material facts known to them that, if not disclosed, may distort the reporting of activities under review.
3. Confidentiality Internal auditors: 3.1. Shall be prudent in the use and protection of information acquired in the course of their duties. 3.2. Shall not use information for any personal gain or in any manner that would be contrary to the law or detrimental to the legitimate and ethical objectives of the organization.
4. Competency Internal auditors: 4.1. Shall engage only in those services for which they have the necessary knowledge, skills, and experience. 4.2. Shall perform internal audit services in accordance with the International Standards for the Professional Practice of Internal Auditing (Standards). 4.3. Shall continually improve their proficiency and the effectiveness and quality of their services.
2012年11月7日水曜日
コントロールとは
リスクを管理し、設定された目標やコ゛ールが達成される見通しを高めるために、最高経営者(Management)、取締役会、及びその他の当事者によて取られる措置のすべて。最高経営者は、設定された目標やコ゛ールが達成されることについての合理的なアシュアランスが得られるようにする十分な措置の遂行を計画し、整備し(Organize)、指揮する。
リスク
目標の達成に影響を与える事象発生の可能性。リスクは影響の大きさと発生可能性とに基づいて測定される。
内部監査の心持ちの事
Try to have the highest of ethics, and to be open and truthful about things.(Stephen Gary Wozniak)
監査先の誰よりも高い倫理観を持ち、物事に対して素直(open)で、かつ誠実(truthful)であることに努めよ。
不思善 不思悪
自分の都合の良い事を善と思わぬこと。自分の都合の悪い事を悪と決め付けぬこと。現れの一面を見て善と決め付け、悪と決め付ける思考法から超脱すること。この持続により意識の内部が崩壊し、超意識が覚醒する。(近藤孝祥)
監査の目的を忘れず、常に監査先の最善を願う
内部監査は、組織体の運営に価値を付加し、また組織体の運営を改善すべく企図されて行われる、独立にして客観的なアシュアランス(保証)活動およびコンサルティンク゛活動である。リスク・マネシ゛メント、コントロール、およびカ゛ハ゛ナンス・フ゜ロセスの有効性の評価と改善が、体系的手法と規律遵守の態度をもって行われることにより、内部監査活動は、組織体がその目標を達成することを手助けする。(International Standards for the Professional Practice of Internal Auditing)
監査先の誰よりも高い倫理観を持ち、物事に対して素直(open)で、かつ誠実(truthful)であることに努めよ。
不思善 不思悪
自分の都合の良い事を善と思わぬこと。自分の都合の悪い事を悪と決め付けぬこと。現れの一面を見て善と決め付け、悪と決め付ける思考法から超脱すること。この持続により意識の内部が崩壊し、超意識が覚醒する。(近藤孝祥)
監査の目的を忘れず、常に監査先の最善を願う
内部監査は、組織体の運営に価値を付加し、また組織体の運営を改善すべく企図されて行われる、独立にして客観的なアシュアランス(保証)活動およびコンサルティンク゛活動である。リスク・マネシ゛メント、コントロール、およびカ゛ハ゛ナンス・フ゜ロセスの有効性の評価と改善が、体系的手法と規律遵守の態度をもって行われることにより、内部監査活動は、組織体がその目標を達成することを手助けする。(International Standards for the Professional Practice of Internal Auditing)
2012年11月6日火曜日
兵法の身なりの事
首は後ろの筋を直に(まっすぐに)、うなじに力を入れて、肩より惣身は等しく覚え(肩から下は一体という感覚で)、両の肩を下げ、背筋をろく(真っ直ぐ)に、尻を出さず、膝より足先まで力を入れて、腰の屈(かが)まざる様に腹を張り、「楔(くさび)を締むる」といいて、脇差の鞘(さや)に腹をもたせて、帯の寛(くつろ)がざる様に、「楔を締むる」という教えあり。
惣じて、兵法の身において、常の身を兵法の身とし、兵法の身を常の身とすること肝要なり。
(五輪書 水の巻 第二)
足の運び様の事、爪先を少し浮けて、踵(きびす)を強く踏むべし。足遣いは、事により大小・遅速はありとも、常に歩むが如し。(五輪書 水の巻 第五 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)
足の運び様の事、爪先を少し浮けて、踵(きびす)を強く踏むべし。足遣いは、事により大小・遅速はありとも、常に歩むが如し。(五輪書 水の巻 第五 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)
内部監査の定義
Internal auditing is an independent, objective assurance and consulting activity designed to add value and improve an organization's operations. It helps an organization accomplish its objectives by bringing a systematic, disciplined approach to evaluate and improve the effectiveness of risk management, control, and governance processes.
(The Institute of Internal Auditors)
内部監査は、組織体の運営に価値を付加し、また組織体の運営を改善すべく企図されて行われる、独立にして客観的なアシュアランス(保証)活動およびコンサルティンク゛活動である。リスク・マネシ゛メント、コントロール、およびカ゛ハ゛ナンス・フ゜ロセスの有効性の評価と改善が、体系的手法と規律遵守の態度をもって行われることにより、内部監査活動は、組織体がその目標を達成することを手助けする。
内部監査は、組織体の運営に価値を付加し、また組織体の運営を改善すべく企図されて行われる、独立にして客観的なアシュアランス(保証)活動およびコンサルティンク゛活動である。リスク・マネシ゛メント、コントロール、およびカ゛ハ゛ナンス・フ゜ロセスの有効性の評価と改善が、体系的手法と規律遵守の態度をもって行われることにより、内部監査活動は、組織体がその目標を達成することを手助けする。
2012年11月5日月曜日
ガバナンスとは
統治のこと。『ガバメント』とは対照的な統治として位置づけられる。ガバメントは政府が上の立場から行なう、法的拘束力のある統治システムである。一方、ガバナンスは、必ずしも上の立場とは限らない、組織や社会に関与するメンバーが主体的に行なう、意思決定、合意形成のシステムである。経営学の分野で、「ITガバナンス」や「コーポレートガバナンス」という言葉が使われる為に、ガバナンスという言葉は、株主や経営陣による企業の管理、統治という意味合いで解釈される事が多いが、本来の意味は、企業の利害関係者(株主、経営者、従業員、取引先など、必ずしも上の立場と限らない利害関係者)の主体的な作用による、意思決定、合意形成のシステムである。
(ASCIIデジタル用語辞典を基に編集)
2012年11月4日日曜日
天才はきみとかけ離れた存在ではない
歴史上の圧倒的な天才に少しも嫉妬しないのは、天才は、一種の奇蹟の体現のようなものだと考えているからだ。
しかし実際には、どの天才も猛烈で地道な努力の末に作品を創作しただけなのである。そこには奇蹟じみたものはない。そのあたりまえのことをふつうの人は想像できないのだ。
(ニーチェの言葉II No.131 「人間的、あまりに人間的」 白鳥春彦編訳)
しかし実際には、どの天才も猛烈で地道な努力の末に作品を創作しただけなのである。そこには奇蹟じみたものはない。そのあたりまえのことをふつうの人は想像できないのだ。
(ニーチェの言葉II No.131 「人間的、あまりに人間的」 白鳥春彦編訳)
足遣(づか)いの事
足の運び様の事、爪先を少し浮けて、踵(きびす)を強く踏むべし。
足遣いは、事により大小・遅速はありとも、常に歩むが如し。
足に飛足(とびあし)、浮足(うきあし)、踏みすゆる足(固く踏みつけるような足)とて、この三つ、嫌う足なり。
この道の大事にいわく、「陰陽の足」という、是、肝心なり。陰陽の足とは、片足ばかり動かさぬものなり。
斬る時、引く時、受くる時迄も、陰陽とて、右・左・右・左と踏む足なり。返々(かえすがえす)、片足踏む事あるべからず。
(五輪書 水の巻 第五 「五輪書」術理探求 武田重寿著)
足遣いは、事により大小・遅速はありとも、常に歩むが如し。
足に飛足(とびあし)、浮足(うきあし)、踏みすゆる足(固く踏みつけるような足)とて、この三つ、嫌う足なり。
この道の大事にいわく、「陰陽の足」という、是、肝心なり。陰陽の足とは、片足ばかり動かさぬものなり。
斬る時、引く時、受くる時迄も、陰陽とて、右・左・右・左と踏む足なり。返々(かえすがえす)、片足踏む事あるべからず。
(五輪書 水の巻 第五 「五輪書」術理探求 武田重寿著)
兵法の拍子(ひょうし)の事
物毎(ものごと)に付け、拍子は有る物なれども、取り分き兵法の拍子、鍛錬なくしては及びがたき所なり。
まず、合う拍子を知って、違う拍子をわきまえ、大小・遅速の拍子の中にも、当たる拍子を知り、間(ま)の拍子を知り、背(そむ)く拍子を知る事、兵法の専(第一とすべき)なり。
この背く拍子わきまえずしては、兵法慥(たしか)ならざる事なり。兵法の戦いに、その敵々の拍子を知り、敵の思い寄らざる拍子をもって、空(くう)の拍子を知恵の拍子より発して、勝つ所なり。
(五輪書 地の巻 第八 「五輪書の術理探求」 武田重寿著)
まず、合う拍子を知って、違う拍子をわきまえ、大小・遅速の拍子の中にも、当たる拍子を知り、間(ま)の拍子を知り、背(そむ)く拍子を知る事、兵法の専(第一とすべき)なり。
この背く拍子わきまえずしては、兵法慥(たしか)ならざる事なり。兵法の戦いに、その敵々の拍子を知り、敵の思い寄らざる拍子をもって、空(くう)の拍子を知恵の拍子より発して、勝つ所なり。
(五輪書 地の巻 第八 「五輪書の術理探求」 武田重寿著)
身の構え、心の構えの事
我が兵法においては、身なりも心も直(すぐ)にして、敵を歪(ひず)ませ、ゆがませて、敵の心の捩捻る(ねじひねる)所を勝つ事、肝心なり。
(五輪書 風の巻 第四)
敵へ入り込む時、我が身の縮まざる様にして、足をも伸べ、腰をも伸べ、首をも伸べて、強く入り、敵の顔と顔と並べ、身の丈を比ぶるに、比べ勝つと思うほど、丈高くなって、強く入る所、肝心なり。
(五輪書 水の巻 第二十五 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)
(五輪書 風の巻 第四)
敵へ入り込む時、我が身の縮まざる様にして、足をも伸べ、腰をも伸べ、首をも伸べて、強く入り、敵の顔と顔と並べ、身の丈を比ぶるに、比べ勝つと思うほど、丈高くなって、強く入る所、肝心なり。
(五輪書 水の巻 第二十五 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)
通力(つうりき、何事にも通じる自在な力)
いずれか極めんとたしかに思い取って(何としても極めようと固く決意し)、朝鍛夕錬して、磨きおおせて後、独り自由を得、おのずから奇特(人並み優れた力量)を得、通力(つうりき、何事にも通じる自在な力)不思議ある所、是、兵として法をおこなう息(兵法を修行する心意気)なり。
(五輪書 火の巻前文 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)
実(まこと)の時(実戦、殺し合い)のない現代においても兵法を学ぶ目的は、この通力、何事にも通じる自在な力、を体得する事にある。
(五輪書 火の巻前文 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)
実(まこと)の時(実戦、殺し合い)のない現代においても兵法を学ぶ目的は、この通力、何事にも通じる自在な力、を体得する事にある。
本を書くということ
何事かを教えるために一冊の本を書くのではない。読者に対して、自分のほうが上にあるということを誇示するために書くのではない。
本を書くということは、なんらかの事柄を通じて自己を克服しきったことの一種の証明である。古い自己を乗り越え、人間として新しく脱皮したことの証である。
それはしかし決して個人的な自己満足ではなく、同じ人間として自己を超克しえたという例を示すことによる、他の人々への励ましであると同時に、読者の現在の人生に対して謙虚に役に立とうとする奉仕の行いでもあるのだ。
(ニーチェの言葉II No.84 「人間的、あまりに人間的」 白鳥春彦編訳)
本を書くということは、なんらかの事柄を通じて自己を克服しきったことの一種の証明である。古い自己を乗り越え、人間として新しく脱皮したことの証である。
それはしかし決して個人的な自己満足ではなく、同じ人間として自己を超克しえたという例を示すことによる、他の人々への励ましであると同時に、読者の現在の人生に対して謙虚に役に立とうとする奉仕の行いでもあるのだ。
(ニーチェの言葉II No.84 「人間的、あまりに人間的」 白鳥春彦編訳)
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