「木を見て森を見る」
「木を見て森を見る」の言葉には複数の意味・主張が込められている。よくよく吟味すべし。
「木を見て森を見ず」ということわざは、物事の一部分や細部に気をとられて全体を見失うこと、小さなことに心をうばわれ全体を見通さないことを意味し、「木(細部)を見ないで森(全体)を見なさい」という教えを伝える言葉であるが、本当の全体を知る為には、また物事の本質を探るためには、細部にこそ気をつけなければならない。細部に気をつけてこそ本当の全体が見える、本質が見える。「木を見ないで、森の外観・外面だけを見ても本当の森はわからない。木を見ることによって初めて本当の森がわかる。」
全体(森)は部分(木)の集合体として構成されている。「部分」は「他の部分」との関係(縁)を持つことによって部分として存在・成立している。「他の部分」も様に「また別の他の部分」との関係(縁)を持つことによって部分として存在・成立している。この「他の部分との関係(縁)」は全体に繋がるネットワークとなり、このネットワークの中に全体の情報が包含される。「全体の情報(森)に繋がっている部分(木)を見れば全体の情報(森)がわかる」
CONNECTING THE DOTS: You can’t connect the dots looking forward, you can only connect them looking backwards. So, you have to trust that the dots will somehow connect in your future. (Steve Jobs)先を見て点と点を結びつけることは出来ないが、過去を振り返ると繋げることができる。点と点が将来なんらかの形で繋がることを信じなければならない。「点(木)と点(木)をつなげていくと、全体(森)という結果に到達することを信じる」
兵法の目付けといふ事。眼の付け様は大きに広く付くるなり、観見の二つあり、観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、近き所を遠く見ること兵法の専なり(五輪書)「木を見ると同時に森を見る」
内部監査実施の初めには「森を見る」。監査先のあらまし(概要)、見立て(戦略)を初めに見て、それらを知る。大きなる所より小さき所を知り、浅きより深きに至る(五輪書)。多きなる所は浅き所であり、小さき所は深き所である。「初めは森を見る。次からは木を見て森を見る。」
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