ターゲットの定義こそ肝心
不合理な思い込みに縛られ、大事な前提条件を見落としたままで、捜し物が首尾よく見つかることを期待する方がおかしい。捜査技術の第1条は、「ターゲット定義こそ肝心」である。短気な人はすぐに探しに出ようとするが、行動の前にまずは作戦会議が必要だ。
探したいものは何なのかについて、しっかりとした定義ができる前に歩き回っても徒労に終わるだけである。捜し物が何かについてあいまいさが残っていないか、人によってイメージするものが違っていないか、偏った思い込みに縛られていないか、などについて事前に確認しておくことが必要なのである。
下手な表現が命取りになることも
捜し物ははっきりしているのにその表現がうまくないために、ターゲット定義の情報が共有できていないことがある。
案内標識に従って道を進んで、違うところにたどり着いたという経験を持つ人はいないだろうか。案内標識を制作した人は、まさか自分の作った標識が違う理解をされるなどこれっぽっちも思ってはいない。インターネットショップで買い物をしようとして、サイト内で迷子になって帰っていく人がいることなど、ホームページの制作者には理解し難い話だろう。上司が部下に求めた仕事が、最後の報告で求めていたものと違っていたというケースも、ターゲット定義の情報が共有できていないことに起因している。
( ビジネス刑事の捜査技術 第6回 あなたはいったい何を探しているのか? 杉浦 司氏)
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