2012年12月20日木曜日

力の使い方


合気道における力の使い方は、先ず第一に肩、首等上半身の力を全く抜き臍下丹田に気力を充実すること、第二に手を開き五指を張って指先に力を入れる、ということである。指先に力を入れるのは、自然に重心を下にさげ、全身を硬直から救うことを意味している。

絶えず螺旋状に円運動をしてこそ生きた力の働きということができるのであろう。そしてその運動は極めて自然に、敏活であってしかも素直に、あたかもなだらかな螺旋状円運動のごときものでなければならぬ。

例を手刀にとれば、指先にまで気力を充実し、腹からの力で大きく螺旋状にふりかぶり振り下ろすという独特の力の出し方をするのである。腹から出た体全体の力を外へ外へ大きく出し、その力の発するところ、自己と宇宙と一体となるという合気観が、そこから生ずるのである。この力の使い方は、合気道練習上極めて重要なる基本事項の一つである。

(合気道 植芝吉祥丸)


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