2012年11月28日水曜日

真剣にやる

真剣にやれば知恵が出る。
中途半端にやれば愚痴が出る。
いい加減にやればいいわけが出る。
(荻窪寿司屋「魚河岸」)

報告書の書き方


・正確を第一とする
・読んで一発でわかる文章をつくる。※
・監査先の「何が問題なのか」を徹底的に考え、そのキーワート゛を探す。
・探し出したキーワート゛を基に文章を組み立てる。

※簡潔・明瞭を良しとする。幹だけを書き、枝葉は書かない。主語(S)、述語(V)は文の前にもって来る。主語を書くことを忘れない(日本語は主語が無くても文になってしまう故)。キーワードを出来るだけ文章の前にもってきて、読者にキーワードを訴える。

自分で書いたト゛ラフトを黙読しながら、自分でツッコミを入れて、最終的にはツッコミを入れられない文章になるまで何度も何度も加筆修正していく。

ツッコミ例:
それは誰がやったことやねん?(主語が書いてないぞ)
それはいつ・どこの話やねん? 
それでどうしたんねん?(結果が書いてないぞ)
その言葉の意味はなんやねん?(お前はその業界用語を知ってるかもしれないが俺は知らんぞ)
なんでそうなったんねん?(事象・現象のみを言われても全体像が把握できないぞ 原因・背景の説明をしてくれ!)
「これ」と「それ」との関係はなんやねん?(文章と文章の論理のつながりがおかしいぞ)
それで結局なにが言いたいねん?(主題が何かわからんぞ)

パラグラフライティング


「パラグラフライティング」とは、何らかのテーマについて説明するときに、まず論理展開を構成するトピック(論理構成単位)を抽出して、トピック毎に一つの段落(パラグラフ)を作成し、それらの段落(パラグラフ)を組み合わせて論理を展開していく手法のこと。

重要なホ゜イントは、一つの段落(パラグラフ)には一つのトピックだけを扱うことであり、かつ、各段落(パラグラフ)の冒頭に、各段落 (パラグラフ)の主題を端的に表現した一文(要約文、「トピックセンテンス」という)を入れて読者の理解を手助けする。

各段落(パラグラフ)に見出しをつける。見出しの言葉はキーワードそのもの。見出しをつけられない、キーワードでまとめられない段落(パラグラフ)は、段落(パラグラフ)の中にトピックが複数あるか、あるいはトピックが特定されていないということ。

シンプルでわかりやすい論理を展開するコツは、結論から先に書くこと。何らかのテーマについて説明するときには、テーマの結論を最初に書き、ついで個々の根拠にあたるトピックを展開していく。

2012年11月27日火曜日

相手の気をつかむ

一教の構えのとき、自分の意識で相手の胸の高さにある背骨をつかむ(体のラインに沿ってつかみに行く必要はない。直線でつかみに行く)。相手と接触している手の箇所からつかんだ所を引っ張るときには、相手の体のラインに沿って引っ張る。

合気道では「結ぶ」という言葉を使うが、「つかむ」という言葉の方が直接的な表現でわかりやすい。

素振りを行う際の注意点

1.腕を上げる時には、肩は逆に下げる
2.肋骨を開かない。肋骨を常に閉じる。息を吐き切ったときの胸の状態。上半身を卵の殻に例えるならば、胸の前の殻が割れて、カパッと殻が開かないように、即ち肩が後ろに反らないように気をつける。胸を張る意識よりむしろ猫背気味。背骨は反らさない。木剣を振り上げたときにも肋骨を開かないように注意する。
3.木剣全体に気を充満させる。打つときには打つ点に気を集める。切るときには木剣全体に充満した気をそのまま維持する。木剣や杖の稽古とは、体を離れたところまで気を送り、操る訓練という事。
4.撞木の足さばきでも、内股は常に絞る。クラッシックバレーの白樺のポーズと同じ。骨盤を立てる。

練習方法:空手の三戦(サンチン)の構え 上記を留意しながら、両肘をくっつけるように力を入れ、腕を上げる(肩は下げる)

発見事項をカテゴライズする(修正版)


1.内部統制の域内で発生した事象
  1-1 統制環境の不備を原因とする事象 (想定外の組織内外の環境の変化や非定型的な取引に対して未対応のケースを含む)
  1-2 統制活動の不備を原因とする事象 (想定外の組織内外の環境の変化や非定型的な取引に対して未対応のケースを含む
  1-3 監視活動の不備を原因とする事象

2.内部統制の域外で発生した事象
  2-1 経営者による内部統制の無視management override(内部統制の無効化)
  2-2 複数の社員によるなれ合い・黙認・共謀(内部統制の無効化)
  2-3 不注意・判断の誤り
  2-4 コストを考慮して、リスクの高い分野から重点的に内部統制の構築を行う以上、不正や不祥事が絶対に起こらないというハ゜ーフェクトな統制システムを期待することはできない(内部統制システム固有の問題)
  2-5 発生可能性・影響度が共に低く、受容レヘ゛ルにあるリスク故に内部統制を構築していない

2012年11月25日日曜日

内部監査の目付けの事


「木を見て森を見る」

「木を見て森を見る」の言葉には複数の意味・主張が込められている。よくよく吟味すべし。

「木を見て森を見ず」ということわざは、物事の一部分や細部に気をとられて全体を見失うこと、小さなことに心をうばわれ全体を見通さないことを意味し、「木(細部)を見ないで森(全体)を見なさい」という教えを伝える言葉であるが、本当の全体を知る為には、また物事の本質を探るためには、細部にこそ気をつけなければならない。細部に気をつけてこそ本当の全体が見える、本質が見える。「木を見ないで、森の外観・外面だけを見ても本当の森はわからない。木を見ることによって初めて本当の森がわかる。」

全体(森)は部分(木)の集合体として構成されている。「部分」は「他の部分」との関係(縁)を持つことによって部分として存在・成立している。「他の部分」も様に「また別の他の部分」との関係(縁)を持つことによって部分として存在・成立している。この「他の部分との関係(縁)」は全体に繋がるネットワークとなり、このネットワークの中に全体の情報が包含される。「全体の情報(森)に繋がっている部分(木)を見れば全体の情報(森)がわかる」

CONNECTING THE DOTS: You can’t connect the dots looking forward, you can only connect them looking backwards. So, you have to trust that the dots will somehow connect in your future. (Steve Jobs)先を見て点と点を結びつけることは出来ないが、過去を振り返ると繋げることができる。点と点が将来なんらかの形で繋がることを信じなければならない。「点(木)と点(木)をつなげていくと、全体(森)という結果に到達することを信じる」

兵法の目付けといふ事。眼の付け様は大きに広く付くるなり、観見の二つあり、観の目つよく、見の目よわく、遠き所を近く見、近き所を遠く見ること兵法の専なり(五輪書)「木を見ると同時に森を見る」

内部監査実施の初めには「森を見る」。監査先のあらまし(概要)、見立て(戦略)を初めに見て、それらを知る。大きなる所より小さき所を知り、浅きより深きに至る(五輪書)。多きなる所は浅き所であり、小さき所は深き所である。「初めは森を見る。次からは木を見て森を見る。」

2012年11月23日金曜日

監査マニュアルの功罪

監査におけるマニュアルやチェックリストなどは、二流の監査人が三流に落ちないための底上げ的な意味合いでは意義があります。しかし、往々にして、それらに頼ることで、監査における思考停止が起こってしまうという弊害があり、決して、二流の監査人が一流の監査人にステップアップするために意義があるとはいえないのが実感です。

監査の形骸化を生んでいるのは、実は、これまで最も大切だといわれてきた監査基準と監査計画に依存してしまって起こる監査人の思考停止や感受性・違和感の欠如というリスク要因だということを知る必要があるでしょう。

監査基準にさえ依存しておけばよい、という心理が監査人における思考停止を生み、現場のそこかしこに見受けられる問題解決の糸口や監査人が感知すべき違和感などを見落とさせ、ヒトとヒトの千変万化の実態を見誤ることになっている方々が多くいらっしゃいます。

(戸村智憲著 監査心理学 感じる監査)

発見事項をカテゴライズする

監査実施によって発見した事項を下記の8項目にカテゴライズし、重要度・影響度を判断する。

(1)不正

(2)法令違反

(3)内部統制の限界である「内部統制の無視(なれあい・黙認・共謀、経営者による内部統制のoverride)」によって発生した事象

(4)内部統制自体の不備(アナ・ホコロビ) 環境の変化に内部統制システムが対応していないケースを含む

(5)内部統制の不備を原因として発生した事象

(6)費用対効果の観点よりコントロールを設けておらず、内部統制の不備と言えないが、当該コントロール上の原因により発生した事象(監査先が、コントロールは整備されていないことを認識し、かつリスクをとっていることも認識している状態)

(7)リスクマネジメントの観点より「受容レベル(発生可能性・影響度が共に低く、リスクが受容レベルにある故コントロールを設けない)」の範疇に含まれる事象

(8)内部統制の限界である「不注意」の範疇に含まれる事象

職業的猜疑心とは

内部監査人に求められる「職業的猜疑心」とは、監査先の説明の根底にある基準で考え・判断するのではなく、先入観、固定観念を捨て、自ら基準をゼロベースで考え、ゼロから基準を組み立て、その基準で物事を考える精神的態度、思考方法の事。猜疑心とは、物事を疑うことではなく、常に物事の本質を探ろうとする精神的態度・思考方法のことを言う。

いざという時に自然に身体が動かせるように、動揺しない精神状態を保つ。そのために、思考パターンの回路を常に解体しては作り替える、心を一箇所に留めない「自在心」が重要になってくる。(長野俊也著 武術のヒケツ)

2012年11月19日月曜日

面談者の心持ちの事(不正調査)

受容的な態度を保つ(相手方は監査人にプレッシャーを感じていることを知る)
情報収集者としての態度を保つ(監査人は、不正を暴いたり裁いたりする立場ではない)
中立的な態度を保つ(スジ読みし過ぎると情報が見えなくなる)
専門家としての態度・精神状態を保つ(相手よりも自分の方が専門家であるという矜持、自分の能力を信じて抱く誇り・自負、を保つ。矜持は、能力向上への真剣な取り組みを常に行うことにより得られるもの。不勉強のカライバリは相手にすぐバレる。)


(青山学院大学社会情報学部 大学院社会情報学研究所 教授 高木光太郎)



2012年11月18日日曜日

監査と検査の違い

内部監査は健康診断、定期検診に例えられる。「検診」とは検査と診断の2段階を構成する言葉である。検査とは血液検査、尿検査等、体の各機能の状態を測定器で数値化することを言う。検査は一般的に看護師が行う。一方、診断とは、検査結果を基に医師が患者と問診等を行い、診断すなわち評価を行うことを言う。評価とは症状の原因を指摘し、その上で「お酒を控えましょう」「もっと運動をしましょう」「睡眠をよくとりましょう」「再検査を実施してください」等の、総合的かつ根本的な改善策を提示することである。ここまでやって「健康診断」「健康検診」であって、血液検査、尿検査だけでは診断、検診とは言わない。検査だけ行って「血圧が高いので、血圧を下げましょう」と言われてもそれは診断でも何でもない、改善の役に立たない言葉である。

 監査は監査先の改善に役立つよう、上記で言う「診断」「検診」まで行うものである。即ち、内部監査人は医者であって、看護師ではない。看護師の仕事も行うが、医者として仕事を行い、診断書を書いて(監査報告書を書いて)初めて診断した(監査した)と言うことができる。内部監査人は自分を看護師と思ってはいけない。看護師の立場で診断書を書くことは医師法違反である。いや、看護師である自分は診断書のドラフトを書くだけであって、最終的な診断書には医師(監査部長)がサインするのだといっても、看護師に診断書のドラフトを書かせる医者は医者として失格である。そもそも内部監査人は看護師(検査担当)ではない。内部監査人は医者(診断担当)である。

2012年11月14日水曜日

力の根源

「底力を出す」「本腰を入れる」という言葉を能々吟味すべし。

力は想念のはるか彼方にある。自己の限界を作るのは自分の想念である。本来の力はそれを超えたところにある。それを引き出すことを鍛錬という。

2012年11月13日火曜日

本質を探る思考方法の事

抽象度を上げることが、本質を探る思考方法の本質である。抽象とは、物事や存在の本質を、より少ない情報で表わす事。

「どうして、こうなってるんだろう?」と自身に問いかける。「なぜ、そうなのか?」と、どんどん抽象度を上げて、そのカラクリについて考えてみる。

「何が問題なのか」を徹底的に考え、そのキーワート゛を探す。

「シンプルは複雑よりも大変だ。努力して考えを整理しないと、シンプルにすることはできない。でも、これはそれだけの価値があることだ。なぜなら、一端、そこまでたどり着ければ山だって動かすことができるからだ。」(Steve Jobs)

経験したことのない未知の問題に対し、これまでに経験したことや知識と、抽象度の高い思考とを結びつけることで、「答え」・・・具体的な解決策を見つけ出せる。

抽象度を上げる為に、本を読み、場数を踏み、知識量、経験量を増やす。

情報量を少なくし、限定する条件を取り外していくことで、しがらみから自由になり、より大きな視点に立って物事を見ることができるようになる。(苫米地英人)

本質を探る心持ちの事

事実を見るには勇気がいる(タ゛ーウィン)

ひとつの事を連続72時間考え続け、もどかしさに耐え続ける知的体力を持つ。

命の限りを尽くす。真剣になれば対象を静かに観察できる

「何か問題を解決しようと取り組むと、最初は非常に複雑な解決方法が頭に浮かんでくる。多くの人々は、そこで考えるのを止めてしまう。でも、そこで止めず、問題をさらに突き詰め、たまねぎの皮をもう何層かむくように頑張っていると、しばしば非常にエレガントかつシンプルな答えにたどりつくことができる。多くの人々は、そこにたどり着くまでの時間もエネルギーもかけていないのだ」(Steve Jobs)

お客様のことを思うと自分が消える。無心になれる。自我意識を消して、原始感覚を立ち上がらせる。

「本質がわかった!」という"未来に既に起きた”時点から現在に向かって時間を逆流させる。この、時間が逆流する感覚、即ち未来の結果が実現した時点が現在の時点まで逆流して、未来の事が現在に起こっている感覚、を「スリル感、ゾクゾク感」という。

2012年11月11日日曜日

コントロールとリスクマネジメント

車の運転に例えると、コントロールとは目的地に到達するように、かつ予定時刻に到達するように、ハンドル、アクセル、ブレーキを適切に使いながら、道を外れないように運転すること。リスクマネジメントとは、運転中に遭遇する障害を避けて、また道から外れたら元の道に戻るように、ハンドル、アクセル、ブレーキを適切に使いながら運転すること。雨が降ればワイパーを遣い、夜になればヘッドライトを付ける。「運転」には止まることも、バックすることも含まれる。ハンドル、アクセル、ブレーキを使い、時にワイパーやヘッドライトを使うという点では、コントロールもリスクマネジメントも同じであり、コントロールとリスクマネジメントは、同じことを別の視点から述べた言葉である。「同じこと」とは、「目的地に、予定時刻に到達するように運転すること」である。

2012年11月8日木曜日

CODE OF ETHICS

内部監査を学ばんと思う人は、道を行う法(指針)あり。
Code of Ethics — Principles Internal auditors are expected to apply and uphold the following principles:

Integrity The integrity of internal auditors establishes trust and thus provides the basis for reliance on their judgment. よこしまなき事を思う所 役にたたぬ事をせざる事

Objectivity Internal auditors exhibit the highest level of professional objectivity in gathering, evaluating, and communicating information about the activity or process being examined. Internal auditors make a balanced assessment of all the relevant circumstances and are not unduly influenced by their own interests or by others in forming judgments.

Confidentiality Internal auditors respect the value and ownership of information they receive and do not disclose information without appropriate authority unless there is a legal or professional obligation to do so.

Competency Internal auditors apply the knowledge, skills, and experience needed in the performance of internal audit services. 道の鍛錬する所 諸芸にさわる所 諸職の道を知る所 物ごとの損得をわきまゆる事 諸事目利きを仕覚ゆる事 目にみえぬ所を悟って知る事 わずかなる事にも気を付くる事

Rules of Conduct

1. Integrity Internal auditors: 1.1. Shall perform their work with honesty, diligence, and responsibility. 1.2. Shall observe the law and make disclosures expected by the law and the profession. 1.3. Shall not knowingly be a party to any illegal activity, or engage in acts that are discreditable to the profession of internal auditing or to the organization. 1.4. Shall respect and contribute to the legitimate and ethical objectives of the organization.

2. Objectivity Internal auditors: 2.1. Shall not participate in any activity or relationship that may impair or be presumed to impair their unbiased assessment. This participation includes those activities or relationships that may be in conflict with the interests of the organization. 2.2. Shall not accept anything that may impair or be presumed to impair their professional judgment. 2.3. Shall disclose all material facts known to them that, if not disclosed, may distort the reporting of activities under review.

3. Confidentiality Internal auditors: 3.1. Shall be prudent in the use and protection of information acquired in the course of their duties. 3.2. Shall not use information for any personal gain or in any manner that would be contrary to the law or detrimental to the legitimate and ethical objectives of the organization.

4. Competency Internal auditors: 4.1. Shall engage only in those services for which they have the necessary knowledge, skills, and experience. 4.2. Shall perform internal audit services in accordance with the International Standards for the Professional Practice of Internal Auditing (Standards). 4.3. Shall continually improve their proficiency and the effectiveness and quality of their services.

2012年11月7日水曜日

コントロールとは

リスクを管理し、設定された目標やコ゛ールが達成される見通しを高めるために、最高経営者(Management)、取締役会、及びその他の当事者によて取られる措置のすべて。最高経営者は、設定された目標やコ゛ールが達成されることについての合理的なアシュアランスが得られるようにする十分な措置の遂行を計画し、整備し(Organize)、指揮する。 リスク 目標の達成に影響を与える事象発生の可能性。リスクは影響の大きさと発生可能性とに基づいて測定される。

リスクマネジメントとは

組織体の目標達成に関し合理的なアシュアランスを提供するために、発生する可能性のある事象や状況を、 識別し、評価し、管理し、コントロールするフ゜ロセス。

内部監査の心持ちの事

Try to have the highest of ethics, and to be open and truthful about things.(Stephen Gary Wozniak)
監査先の誰よりも高い倫理観を持ち、物事に対して素直(open)で、かつ誠実(truthful)であることに努めよ。

 不思善 不思悪
自分の都合の良い事を善と思わぬこと。自分の都合の悪い事を悪と決め付けぬこと。現れの一面を見て善と決め付け、悪と決め付ける思考法から超脱すること。この持続により意識の内部が崩壊し、超意識が覚醒する。(近藤孝祥)

 監査の目的を忘れず、常に監査先の最善を願う
内部監査は、組織体の運営に価値を付加し、また組織体の運営を改善すべく企図されて行われる、独立にして客観的なアシュアランス(保証)活動およびコンサルティンク゛活動である。リスク・マネシ゛メント、コントロール、およびカ゛ハ゛ナンス・フ゜ロセスの有効性の評価と改善が、体系的手法と規律遵守の態度をもって行われることにより、内部監査活動は、組織体がその目標を達成することを手助けする。(International Standards for the Professional Practice of Internal Auditing)


2012年11月6日火曜日

兵法の身なりの事

首は後ろの筋を直に(まっすぐに)、うなじに力を入れて、肩より惣身は等しく覚え(肩から下は一体という感覚で)、両の肩を下げ、背筋をろく(真っ直ぐ)に、尻を出さず、膝より足先まで力を入れて、腰の屈(かが)まざる様に腹を張り、「楔(くさび)を締むる」といいて、脇差の鞘(さや)に腹をもたせて、帯の寛(くつろ)がざる様に、「楔を締むる」という教えあり。 惣じて、兵法の身において、常の身を兵法の身とし、兵法の身を常の身とすること肝要なり。 (五輪書 水の巻 第二)

足の運び様の事、爪先を少し浮けて、踵(きびす)を強く踏むべし。足遣いは、事により大小・遅速はありとも、常に歩むが如し。(五輪書 水の巻 第五 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)


内部監査の定義

Internal auditing is an independent, objective assurance and consulting activity designed to add value and improve an organization's operations. It helps an organization accomplish its objectives by bringing a systematic, disciplined approach to evaluate and improve the effectiveness of risk management, control, and governance processes. (The Institute of Internal Auditors)

 内部監査は、組織体の運営に価値を付加し、また組織体の運営を改善すべく企図されて行われる、独立にして客観的なアシュアランス(保証)活動およびコンサルティンク゛活動である。リスク・マネシ゛メントコントロール、およびカ゛ハ゛ナンス・フ゜ロセスの有効性の評価と改善が、体系的手法と規律遵守の態度をもって行われることにより、内部監査活動は、組織体がその目標を達成することを手助けする。

2012年11月5日月曜日

ガバナンスとは

統治のこと。『ガバメント』とは対照的な統治として位置づけられる。ガバメントは政府が上の立場から行なう、法的拘束力のある統治システムである。一方、ガバナンスは、必ずしも上の立場とは限らない、組織や社会に関与するメンバーが主体的に行なう、意思決定、合意形成のシステムである。経営学の分野で、「ITガバナンス」や「コーポレートガバナンス」という言葉が使われる為に、ガバナンスという言葉は、株主や経営陣による企業の管理、統治という意味合いで解釈される事が多いが、本来の意味は、企業の利害関係者(株主、経営者、従業員、取引先など、必ずしも上の立場と限らない利害関係者)の主体的な作用による、意思決定、合意形成のシステムである。 (ASCIIデジタル用語辞典を基に編集)

2012年11月4日日曜日

天才はきみとかけ離れた存在ではない

歴史上の圧倒的な天才に少しも嫉妬しないのは、天才は、一種の奇蹟の体現のようなものだと考えているからだ。
しかし実際には、どの天才も猛烈で地道な努力の末に作品を創作しただけなのである。そこには奇蹟じみたものはない。そのあたりまえのことをふつうの人は想像できないのだ。
(ニーチェの言葉II No.131 「人間的、あまりに人間的」 白鳥春彦編訳)

足遣(づか)いの事

足の運び様の事、爪先を少し浮けて、踵(きびす)を強く踏むべし。
足遣いは、事により大小・遅速はありとも、常に歩むが如し
足に飛足(とびあし)、浮足(うきあし)、踏みすゆる足(固く踏みつけるような足)とて、この三つ、嫌う足なり。
この道の大事にいわく、「陰陽の足」という、是、肝心なり。陰陽の足とは、片足ばかり動かさぬものなり。
斬る時、引く時、受くる時迄も、陰陽とて、右・左・右・左と踏む足なり。返々(かえすがえす)、片足踏む事あるべからず。
(五輪書 水の巻 第五 「五輪書」術理探求 武田重寿著)

兵法の拍子(ひょうし)の事

物毎(ものごと)に付け、拍子は有る物なれども、取り分き兵法の拍子、鍛錬なくしては及びがたき所なり。
まず、合う拍子を知って、違う拍子をわきまえ、大小・遅速の拍子の中にも、当たる拍子を知り、間(ま)の拍子を知り、背(そむ)く拍子を知る事、兵法の専(第一とすべき)なり。
この背く拍子わきまえずしては、兵法慥(たしか)ならざる事なり。兵法の戦いに、その敵々の拍子を知り、敵の思い寄らざる拍子をもって、空(くう)の拍子を知恵の拍子より発して、勝つ所なり。
(五輪書 地の巻 第八 「五輪書の術理探求」 武田重寿著)


身の構え、心の構えの事

我が兵法においては、身なりも心も直(すぐ)にして、敵を歪(ひず)ませ、ゆがませて、敵の心の捩捻る(ねじひねる)所を勝つ事、肝心なり。
(五輪書 風の巻 第四)

敵へ入り込む時、我が身の縮まざる様にして、足をも伸べ、腰をも伸べ、首をも伸べて、強く入り、敵の顔と顔と並べ、身の丈を比ぶるに、比べ勝つと思うほど、丈高くなって、強く入る所、肝心なり。
(五輪書 水の巻 第二十五 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)



通力(つうりき、何事にも通じる自在な力)

いずれか極めんとたしかに思い取って(何としても極めようと固く決意し)、朝鍛夕錬して、磨きおおせて後、独り自由を得、おのずから奇特(人並み優れた力量)を得、通力(つうりき、何事にも通じる自在な力)不思議ある所、是、兵として法をおこなう息(兵法を修行する心意気)なり。
(五輪書 火の巻前文 「五輪書」の術理探求 武田重寿著)

実(まこと)の時(実戦、殺し合い)のない現代においても兵法を学ぶ目的は、この通力、何事にも通じる自在な力、を体得する事にある。


本を書くということ

何事かを教えるために一冊の本を書くのではない。読者に対して、自分のほうが上にあるということを誇示するために書くのではない。
本を書くということは、なんらかの事柄を通じて自己を克服しきったことの一種の証明である。古い自己を乗り越え、人間として新しく脱皮したことの証である。
それはしかし決して個人的な自己満足ではなく、同じ人間として自己を超克しえたという例を示すことによる、他の人々への励ましであると同時に、読者の現在の人生に対して謙虚に役に立とうとする奉仕の行いでもあるのだ。
(ニーチェの言葉II No.84 「人間的、あまりに人間的」 白鳥春彦編訳)