2013年1月27日日曜日
夢を書き出しなさい(オノヨーコ)
自分を掘り下げる
意識を忘れない
人間は幸せになるために生まれてきます。では、その大切な一人であるあなたが求めてやまない幸せは、どんなものですか。そして選んだ生き方はその延長線上にありますか。かつて出版した『グレープフルーツ』に私はこういう言葉を記しました。
「書き出しなさい。/あなたがしようとしていることを、ぜんぶ。/それを誰かに見せなさい。/あなたがぜんぶやり終えるまで/そのひとを眠らせなさい。/できるだけながく/時間をかけてやりなさい。」
世の中の状況や価値観はどうであろうと、あなたが志していることを自覚する意識が大切なのですね。漏らさず書き出し、時間の制限を受けずに実現する、という生きていく指針を探して欲しい。それから、同じ本に記した、自分に気づくことを示唆する言葉。
「出入りする小さなドアをつくりなさい。/出入りするたびに、あなたは/かがんだり、縮んだりしなければならない。/これはあなたに/あなたがどのくらいのサイズなのか/出ること、入ることとは何か、を/気づかせてくれる。」
これらの言葉を記したのはもう半世紀も前のことです。私は30歳前後でした。すでに平穏な人生ではなく、自分の仕事の展望にもプライベートにも確かな見通しはありませんでした。現在のあなたと似ていますか? ただ一つ問いただしたのは、「自分らしいか」ということでした。どんな時でも自分らしくいることが私には一番大事でした。
その後の人生で私は、ビートルズが解散する要因になったなどと、世界中からいわれのない非難を浴びる状況も経験し、ジョン・レノンが亡くなった後も長くつらい時間がありました。それでも、自分らしさを諦めたことはなかった。社会や周囲の要求に合わせた生き方では、どうしても心が弱くなりますが、自分らしくあり続けるその一点で強くいられたのです。
あなた自身を頼れ
私たちが最も力を出せるのは、自分の希望で力を使っている時です。人に頼っている時には弱かったエネルギーが、自分を頼るようになると次第に強くなっていきます。私は、息子のショーンが、母である私を頼らず、自分の力で独立できるように育ててきました。母親としては寂しい思いもしますが、そうしなかったら現在の彼にはならなかった。
昨年12月、日本での「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」に、ショーンが初めて参加すると自ら言い出したので驚きました。開始から数えて12年目に。その理由は2011・3・11の東日本大震災が強く彼のハートに響いたからだということでした。自分の年代と、その子どもたちが苦しんでいる。日本人でもある自分も、「一緒に立ち上がろう」という復興への強い情熱を伝えたいと行動したのでしょう。誰の思惑でもなく、自分の中から湧いてくるエネルギーでした。
私たちが、自分の力を頼りに再興を考え、そのために行動する。それは国だけでなく、実は「自分を再興する」ことにもなるはずです。失望している時でさえも、チャレンジすることを書き出してごらんなさい。そう、あなたがしようとしていることを全て。そして想像してください。それが現実になっていくことを。(談)
オノヨーコ 朝日新聞 仕事力
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿