2013年1月27日日曜日

仕事こそ神聖なもの(オノヨーコ)

あなたの力をずっと何かに役立てる

私は、「仕事が自分の人生だ」と考え、できるだけのことをしたいという気持ちで生きてきました。しかし人は、自分が続けようと思っている仕事を途中で断念しなくてはならない時、とても苦しくなります。仕事があるから心も体も丈夫でいられるし、意に沿わない仕事をすると体に響く。それくらい人間にとっては大切で神聖なものです。

特に日本人はその感覚が強い。日本人は食事をしていても、歩いていてもどこか瞑想しているような資質があるように思いますが、働くことも、深く静かに生きることにつながっているように見えます。アメリカ人はお金を払ってメディテーション(瞑想)を習います。でも私たちには既にあった。それは、時間で労働を売るのとは違う、日常に根差したきめ細やかな仕事観ではないでしょうか。

世界では日本のことを、小さな島の国だけれど国民は頭が良く勤勉で、戦禍にあっても大災害を受けても、やがて必ず立ち上がって大きな力を取り戻す国と考えています。それは今まで一人ひとりが何かの役に立とうと努力してきたからですね。一生懸命に野菜やお米を作ってきたお百姓さんや、工夫に工夫を重ねた名もない技術者が、自分のできることを貫いてきた。

若いあなたも、ぜひ自分の力を見つめ直して欲しい。私が、「クリエーティブな視点を持て」と皆さんに提案するのは、「どんな小さなことでも自分を役立てられる仕事」をいつも探していこうと伝えたいからです。

認め合いましょう。違いを、優れている点を。

つい先日、ニューヨークタイムズ紙で面白い記事を読みました。今まで、母親と胎児の間にはとても強い力があることは知られていましたが、父親はほとんど関与していないと思われていましたね。ところが新しい研究では、父親が考えていることや、母親に話しかけたことまでが全て退治に届いているから、妊娠中の父親の存在が大事だと分かったそうです。

どちらか一方が、一つの役割をすればいいいというものではない。その証拠が出てきたということでしょう。それは仕事にも言えます。男性だけが仕事に秀でているわけではない。それどころか女性が優れた能力を発揮する場も非常に多い。何より仕事は、女性にも神聖な喜びをもたらすもので、私たち女性は働くことが大好きなのです。

だから、家事と育児に追われる主婦の立場を見て育った女性たちが結婚しなくなり、子供を産まなくなり始めましたね。まるでみんな一緒に「産まない」選択をしている「沈黙の革命」のようです。家庭での男性の大切さ、仕事での女性の大切さ。それを本気で認め合う時が来たのではありませんか。

私の夫のジョンレノンは、息子のショーンを育てたいと主夫になりました。英国の保守的な環境で成長したジョンには、葛藤のある決断だったはずです。でも、自分にできる新しい役割を見つけ出したことは、とてもクリエーティブな生き方だった。

あなたも、自分を愛して、自分らしさを信じて、小さなチャレンジから踏み出して欲しいと思います。

オノヨーコ 朝日新聞 仕事力

夢を書き出しなさい(オノヨーコ)


自分を掘り下げる
意識を忘れない

 人間は幸せになるために生まれてきます。では、その大切な一人であるあなたが求めてやまない幸せは、どんなものですか。そして選んだ生き方はその延長線上にありますか。かつて出版した『グレープフルーツ』に私はこういう言葉を記しました。

 「書き出しなさい。/あなたがしようとしていることを、ぜんぶ。/それを誰かに見せなさい。/あなたがぜんぶやり終えるまで/そのひとを眠らせなさい。/できるだけながく/時間をかけてやりなさい。」

 世の中の状況や価値観はどうであろうと、あなたが志していることを自覚する意識が大切なのですね。漏らさず書き出し、時間の制限を受けずに実現する、という生きていく指針を探して欲しい。それから、同じ本に記した、自分に気づくことを示唆する言葉。

 「出入りする小さなドアをつくりなさい。/出入りするたびに、あなたは/かがんだり、縮んだりしなければならない。/これはあなたに/あなたがどのくらいのサイズなのか/出ること、入ることとは何か、を/気づかせてくれる。」

 これらの言葉を記したのはもう半世紀も前のことです。私は30歳前後でした。すでに平穏な人生ではなく、自分の仕事の展望にもプライベートにも確かな見通しはありませんでした。現在のあなたと似ていますか? ただ一つ問いただしたのは、「自分らしいか」ということでした。どんな時でも自分らしくいることが私には一番大事でした。

 その後の人生で私は、ビートルズが解散する要因になったなどと、世界中からいわれのない非難を浴びる状況も経験し、ジョン・レノンが亡くなった後も長くつらい時間がありました。それでも、自分らしさを諦めたことはなかった。社会や周囲の要求に合わせた生き方では、どうしても心が弱くなりますが、自分らしくあり続けるその一点で強くいられたのです。

あなた自身を頼れ

 私たちが最も力を出せるのは、自分の希望で力を使っている時です。人に頼っている時には弱かったエネルギーが、自分を頼るようになると次第に強くなっていきます。私は、息子のショーンが、母である私を頼らず、自分の力で独立できるように育ててきました。母親としては寂しい思いもしますが、そうしなかったら現在の彼にはならなかった。

 昨年12月、日本での「Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」に、ショーンが初めて参加すると自ら言い出したので驚きました。開始から数えて12年目に。その理由は2011・3・11の東日本大震災が強く彼のハートに響いたからだということでした。自分の年代と、その子どもたちが苦しんでいる。日本人でもある自分も、「一緒に立ち上がろう」という復興への強い情熱を伝えたいと行動したのでしょう。誰の思惑でもなく、自分の中から湧いてくるエネルギーでした。

 私たちが、自分の力を頼りに再興を考え、そのために行動する。それは国だけでなく、実は「自分を再興する」ことにもなるはずです。失望している時でさえも、チャレンジすることを書き出してごらんなさい。そう、あなたがしようとしていることを全て。そして想像してください。それが現実になっていくことを。(談)

オノヨーコ 朝日新聞 仕事力

昼休みのクリエーション(オノヨーコ)


若く苦しい時代にも
誇りを見つける

 私は、幼い頃から音楽や詩がとても好きでしたし、大学でも学びました。表現して生きる人生を当然と考えて育ってきたのです。でも真っすぐに自分の表現へたどり着いたわけではありませんでした。若い頃から、コンセプチュアルアート(概念芸術)の作品を何点か発表していましたが、それだけで食べていけるはずもない。

 長女が誕生した30歳の頃には日本に住んでいて、日本の映画を外国向けに吹き替える仕事や英語を教えたりして生活を支え、その後ニューヨークに戻ってからも、通訳や翻訳などできる仕事は何でも引き受け、幼い娘を育てながら、それでも創作への意欲は持ち続けていたのです。

 ある時期はエンパイア・ステート・ビルの中の会社でタイピストとして働いていましたが、お昼休みに仲間とランチを食べておしゃべりするようなことはありませんでした。その時間を惜しんで自分のクリエーションに集中し、隣の部屋の棚には、全て私の前衛アート作品が入っているほどだった(笑)。

 境遇は恵まれていなくても、大変な環境に置かれていても、それをクリエーティブに変えていくのは「誇り」という力です。人間は、誇りを持たなかったら駄目になる、惨めになる。でも、8時間の勤務時間のうちの昼30分間だけでも、エンパイア・ステート・ビルから、たった一人の秘書が発想するクリエーションは誇りでした。自分がやりたいことの火を消さずに実行すれば、私たちは前へ進んでいけるのですね。この世界は、そういう一人ひとりの有り様で美しくなっていくのですから。

常識というのは
誰のためにもならない

 限られた人生の中で何を選ぶか。それは、自分が面白いと思えることに尽きます。会社が有名だとか、給料が高いということであなたの心は生涯ときめいていられますか? もちろん、それが楽しくて仕方がない人はそこを突き進めばいいし、やってもやっても、エネルギーが湧いてくるかどうかが大切なのです。

 大人が、「やりたいことで食べていけるほど世の中は甘くない」と言って、一つの職業に固執し融通が利かなくなるのは、ただ臆病なだけではないでしょうか。例えば人生を大きく変えなければならない時、女性はそこへ飛び込む大胆さと順応性を持っています。大人たちは、若い人のためにも、今までの常識を押しつけるべきではないし、若い人は既存の型に自分を合わせる必要はないのです。

 社会にはかたくなな基準というものがあって、女性は優しく、男性は力強く揺るぎなくなどと言いますが、そんなふうに2等分されるほど、私たち一人ひとりは単純ではありません。気づいているのに常識に合わせて生きようとするのは、自分の生涯を大切にしていないからではないでしょうか。

 本当の基準は「自分が美しいと思った全ては美しい」ということ。根底にあるのは愛です。世界中の人が何とも思わなくても、自分は愛している。それが非常に大事であり、その基準を活(い)かして欲しいと思います。(談)

オノーヨーコ 朝日新聞 仕事力


2013年1月11日金曜日

準拠性監査


準拠性監査とは、既存の規程や規則に照らして現行の業務がその規程・基準に沿っているかを点検することであり、「検査」に近い概念である。
言い換えれば、既存の「検査リスト」に基づいて「淡々と」検査を行い、その検査結果を残せば監査業務は完了する。その検査結果が何を表しているかについての評価は検査の対象外である。

既存の規程や規則自体が有効なものであるかどうかの評価、あるいは、あるべき規程・規則が存在するか、存在しないかの評価も、準拠性監査の対象外である。


2013年1月6日日曜日

強い思い(オノヨーコ)

私たちより少し前の人々は、家族と子供の平穏を何よりも大切にして生きてきましたね。そういう人生だって、内情は波打つこともあったでそうけど、でも穏やかな一生を守ることが生きがいだったと思います。

けれども今は、広く世の中や世界をつながり、私たちには、もっと大きく、エネルギーの必要なチャレンジが与えられている。ただただいままでのスタイルに従っていくのではなくて、自分で何が大切かを考え、クリエーティブな試みをする時代になりました。仕事は多岐にわたるようになるし、こんなことをしなくてはならないのかと困難を感じる日々もあるかもしれませんが、そうやって私たちは新しい時代の要求を大事にし、一生懸命にチャレンジする喜びをもらえているのです。

もちろんそれは、多くの人間にとっては随分難しいと思います。きっと怖いはず。でも、その怖さを乗り越えていって欲しい。そのために一番最初にするべきことは「イマジン(想像)」なのですね。本当に大事なことをする時には、まず頭で考え、それをリアルな映像にして自分で繰り返し見てください。自分のハートの深い所にある思いを現実にするために、何度でも確かめ、そしてその夢を人と分かち合うのです。

「一人で見る夢はただの夢」だけれど、「みんなで見る夢は現実になる」。私もそうやって仕事を実現してきました。

英国のリバプールにはジョン・レノンの育った家が残っていますが、彼の部屋はわずか3畳くらいで、とても狭い小さな小さな部屋です。両親と離別して伯母さんに育てられ、寂しさや悲しさを感じていた少年が、その狭い部屋で、自分がいつか音楽を通して大きなことをすると夢見ていたのは、本当にすごいことだと思います。

あなただって自分の城を4畳半かも6畳の小さな部屋かもしれません。でも自分が考えていることはいくらでも大きく広げていける。強い思いから発しているクリエーティブなことは世界中に伝わっていくものです。

現在の若い人は、例えば絵を描くなら油絵の具が必要だとか、仕事に最新の機器が欲しいとまず条件をそろえてもらおうといったことをします。でも牢獄に捕えられている囚人は、どうしても何か描きたいとなったら、鉛筆一本さえなくても自分の爪で壁を引っかいて描き始めるでしょう。それほど人間が持つコミュニケーションの欲望はすごい。だれもが人にコミュニケートして、何かしようという思いを持っているものです。

ジョージ・ハリスンが「仕事は非常に大事なもので、幸福も自分にくれる。だから神聖なものだ」と言っています。私もまさにそうだと思います。仕事の中に自分の夢を見る、その光を抱き続けてください。

(オノ・ヨーコ 2013年1月6日朝日新聞朝刊「仕事力」)




2012年12月31日月曜日

未来を予見する方法

未来を予見する最もよい方法は、自分で未来をつくってしまうことである。

(アラン・ケイ、MIT教授 パーソナルコンピュータの生みの親)


2012年12月30日日曜日

不正調査の面談技法



・面接技法の基礎
 質問形式への配慮 開かれた質問(Open Questions、5W1H型)だけを使用する。閉じた質問(Closed Questions、Yes-No型、選択肢型)は特定の場合のみ使用する。

 段階的アプローチ(Stepwise Approach, Phase Approach) あらかじめ設定された面接の段階に従ってして質問を展開する。

 メタ意識:もう一人の自分が、話し手(自分)と聞き手の関係の変化を客観的に読み、話を展開する。

・段階的アプローチ
1. 事前準備
  案件に関係した事実の入手に十分な時間をかける
  対象者の人格、性格、履歴の分析

2. 導入段階(PHASE-1)
   自己紹介
  ラポールの確立(基本的な関係づくり) 雑談、場を温める、思いやりの言葉をかける
  相手に答える気になってもらう。話を聞いてもらえる相手と思ってもらう。
  面接の主題の確立(目的の説明) 
「・・・・・いくつかの質問にお答えいただくことでお手伝いいただけないかと思っているのですが、よろしいでしょうか?」と質問し、相手に「はい」と言わせ、自分の意思でコミュニケーションに参加してもらう手続を踏む。
相手の性格、しゃべり癖を観察する

3. 情報収集の為の質問(PHASE-2)
    ステップ1 自由報告「うながす」  相手に自由に語らせる
  ステップ2 オープン質問「掘り下げる」 自由報告で得られた情報についてさらに「開かれた質問」で説明を求める

4. 情報収集の為の質問(PHASE-3)
  ステップ3 特定的な質問「つっこむ
  ステップ4 選択肢による質問「もれを補う」 回答者が自発的に話していない内容について選択肢型の質問を行う

以上の段階で「どうも真実を語っていないようだ」と判断された場合は、以下の査定質問に移る。

5. 査定質問「ゆさぶりをかける
  センシティブな質問をなげかける。一般論を言って相手の反応を見る。「あなたの部署の誰かが、自分の行為を正当化して会社から物を盗む可能性があると思いますか?」「会社の資産を盗むことが正当化される場合があるのはなぜかと思いますか?」 

6. 自白させる「落とす
 犯人と確信されれば自白させる。

7. 締めくくりの質問
上記の5. 6. に至らない場合でも、聴取内容の要点を整理し再確認する。協力への感謝の意を伝える。できるだけ前向きな雰囲気で終えるようにする(次回の面接の為)。

(青山学院大学社会情報学部 大学院社会情報学研究所 教授 高木光太郎)

2012年12月27日木曜日

分類する



分類判定による仮説の立案と検証

プロファイリング、リーディングの話を聞いている人には、彼らが予言しているように聞こえているのだが、実は彼らがやっていることは常に分類判定による仮説定義にすぎない。

彼らにとっては仮説は外れても当たり前、外れてくれても真実に近づけると考えている。仮説を立案して仮説を検証するというルーチンこそ、彼らの技術であり、その能力は有効な仮説を立案するために、どれだけの関連知識と経験を持っているかにかかっている。

立派なスーツを着ている人は勝ち組で、破れた服を着た人は負け組と思ってしまうのは仕方ないことだ。

ほとんどの場合はそうだからである。詐欺師はこの分類を逆手に取って、人をだましてしまう。捜査員もプロファイラーも同じことで、最初はやはりだまされてしまう。しかし、彼らが最後までだまされ続けないのは、分類はあくまでも仮説にすぎず、検証しなければならないということを知っているからである。

そして、その知識はかつてだまされたことがあるとか、だます人間を知っているという失敗や経験に裏打ちされている。残念ながら、机上の知識だけでだまされないようにするのは難しく、やはり現場での経験が長いということは、それなりの評価されるべき価値があるのである(長く勤めていても、「仮説は検証しなければならない」ということを理解していない人も中にはいるが)。

知識やデータのクレンジングが重要だ

最後に、知識やデータのクレンジングの重要性について触れておきたい。知識やデータを駆使した経営は一見格好がいいが、その知識やデータが古かったり誤っていたりすると、こっけいなことになる。

データ野球が直感野球に負けることがあるのはこのためである。それと、例外に出合うことが少なければ少ないほど、人は既存の知識やデータを真実のものと誤解しやすくなる。仮説を検証することを忘れて、真実と区別がつかなくなるのだ。このようなことがないようにするには、組織の中で経験を共有することが大切である。知識、データは人が使い回すものであり、知識、データに人が決して振り回されてはいけない。

ビジネス刑事の捜査技術 11 Amazonのリコメンド機能と天気予報は同じ ―捜査技術の第6条「捜査のプロは分類能力が極めて高い」 杉浦司氏)




ターゲットを定義する


ターゲットの定義こそ肝心

不合理な思い込みに縛られ、大事な前提条件を見落としたままで、捜し物が首尾よく見つかることを期待する方がおかしい。捜査技術の第1条は、「ターゲット定義こそ肝心」である。短気な人はすぐに探しに出ようとするが、行動の前にまずは作戦会議が必要だ。

探したいものは何なのかについて、しっかりとした定義ができる前に歩き回っても徒労に終わるだけである。捜し物が何かについてあいまいさが残っていないか、人によってイメージするものが違っていないか、偏った思い込みに縛られていないか、などについて事前に確認しておくことが必要なのである。

下手な表現が命取りになることも

捜し物ははっきりしているのにその表現がうまくないために、ターゲット定義の情報が共有できていないことがある。

案内標識に従って道を進んで、違うところにたどり着いたという経験を持つ人はいないだろうか。案内標識を制作した人は、まさか自分の作った標識が違う理解をされるなどこれっぽっちも思ってはいない。インターネットショップで買い物をしようとして、サイト内で迷子になって帰っていく人がいることなど、ホームページの制作者には理解し難い話だろう。上司が部下に求めた仕事が、最後の報告で求めていたものと違っていたというケースも、ターゲット定義の情報が共有できていないことに起因している。


( ビジネス刑事の捜査技術  第6回 あなたはいったい何を探しているのか? 杉浦 司氏)

2012年12月24日月曜日

〇の会

呼吸力
 「呼吸力」は「力」という字が使われていますが、技をかける側から、かけられる側に向かって流れる力ではなく、むしろお互いの中で動くエネルギーの主体は、技をかけられる側だと言えます。

二足直立歩行を始めた人類は、やがてその形態を既得のものとし、無意識不随意に行なえる様にまで進化しました。呼吸力は、その無意識不随意の身体能力の部分をコントロールすることによって、技を成立させる方法です。そのためには、技をかける側にも、相手の体の動きや力の方向にたいして、謙虚になることが要求されます。

結び

相手に手を取られて、その手との結びを作るとき、自分の下丹田に手を落とすと、遊びが消えて相手の下丹田と結ばれる。
そうすると、相手のバランスが崩れ、技に入ることができる。

インナーマッスル、ブロードマッスル
普段意識していない人体の深いところにある筋肉を活用することで、思わぬ体の動きや相対する相手の反応を引き出すことができるという、古来武道や療術の世界で、秘伝奥伝として相伝されてきた技術を、科学的に解き明かすためのキーワードだと考えています。

剣を振る

木剣を振る。
正しく振る。
体幹を使って、下丹田にある重心の移動だけが剣を動かす。
重心の移動によって派生した波が、背骨を伝わり肩を通り、上腕を経て肘を過ぎ、前腕から手首に至り剣の先端に流れていく。
剣尖には下丹田の重心の移動によって派生した波と地球の引力の合力がかかり、肩、肘、手首のユニバーサルジョイントを経て、邪魔されること無く腰の一点を中心として剣尖を先端とした弧を描くベクトルが産まれる。
アウターマッスル一切使われず、腰から指先迄の間にあるすべての関節は広がり伸びていく。
すべての技の大本が剣の正面打ちにある。

(○の会HPより 村本識如(むらもとのぶゆき)氏)



2012年12月23日日曜日

相手の気をつかむ(2)

相手の気をつかんだ後、雑草を引き抜くときに手でつまんだ箇所で引き千切れないよう、根元から根こそぎ引っ張り抜くがごとく、引っ張る。直線でなく螺旋状に引っ張る。根こそぎ引き抜くコツは、意識を根元に置くこと。引っ張る手元は意識しない。




洞察する

「合理化」などの”ごまかし”を使わずに、望ましくない現実にきちんと直面し、理性で考えなさい、という、「洞察」と呼ばれる、不安、恐怖の処理の仕方だ。しかし、この「洞察」は精神分析のゴールとなっているほど、高度な理性やタフな精神力を必要とする手段でもある。

葛藤から目を背け、想像力も放棄して誰かに重要な決定を「白紙委任」してしまったり、刺激的な「二者択一の選択肢」の提示だけを要求し続けたりした結果、ナチスの虐殺や福島原発事故のような結果がもたらされた、とするのはあまりに極端な意見かもしれない。しかし、前者は歴史が証明していることであり、後者はいま実際に日本で起きている出来事なのである。

(短文形式のソーシャルメディアの情報を鵜呑みにする、誰かが名指ししてくれた「敵」を総攻撃する、意見が分かれる問題に二者択一を迫る、(自分の代わりに)すべてをはっきりさせてくれそうなリーダーを待望し、その人に白紙委任する)これらはいずれも、強い不安、葛藤を抱えた人たちが、それと向き合って洞察することをせずになんとか心の安定を保つための、いわば”苦肉の策”であることを指摘した。精神医学では、それらを「合理化」「否認」「躁的防御」「投影性同一視」「スプリッティング」などと呼ぶ。

「書き記す」
自分の感情、ときにはネガティブな感情も含めて、それを認め、受け止めながら記述し、後に振り返り、そこから現実を再構成して考える
手間もかかれば、考えるための時間も必要だ。そしてなにより、そこで生起する自分の感情と率直に向き合う若干の勇気」も必要になるだろう。
この「若干の勇気」を持てるかどうか。
それ自体はとても小さな選択だが、そのことが結果的にもたらすものはあまりに大きい。私はそう考えている。

(「独裁」入門 香山リカ著)


2012年12月22日土曜日

素振りを行う際の注意点(4)

素振り及び呼吸法を行う際には、親指の根本の筋肉を緊張させないように注意する。親指が緊張すると、体の内側の筋肉が緊張して、背中側の筋肉が使えない。親指の第一関節は外側に反るぐらいで良い。親指の第一関節の部分と小指の腹とを近づけるようにして、手のひらに窪みを作る。




含胸抜背(がんきょうばっぱい)(2)

胸は割らずに、胸を閉じて体の力を分散させないようにする。全く同様に、骨盤も割らずに閉じて、体全体の力を丹田に集める。大腰筋を体幹に向かって締めつけて力を体幹に集中させる感覚を作る。


素振りを行う際の注意点(3)

素振り及び呼吸法で腕を上げる際には、肩を力を入れて下げるのではなく、肩の力を完全に抜き、重力に任せて肩を真下に「落とす」。背骨のラインも完璧に垂直に真下に落とす。いささかも背骨を傾けて落としてはいけない。


2012年12月20日木曜日

力の使い方


合気道における力の使い方は、先ず第一に肩、首等上半身の力を全く抜き臍下丹田に気力を充実すること、第二に手を開き五指を張って指先に力を入れる、ということである。指先に力を入れるのは、自然に重心を下にさげ、全身を硬直から救うことを意味している。

絶えず螺旋状に円運動をしてこそ生きた力の働きということができるのであろう。そしてその運動は極めて自然に、敏活であってしかも素直に、あたかもなだらかな螺旋状円運動のごときものでなければならぬ。

例を手刀にとれば、指先にまで気力を充実し、腹からの力で大きく螺旋状にふりかぶり振り下ろすという独特の力の出し方をするのである。腹から出た体全体の力を外へ外へ大きく出し、その力の発するところ、自己と宇宙と一体となるという合気観が、そこから生ずるのである。この力の使い方は、合気道練習上極めて重要なる基本事項の一つである。

(合気道 植芝吉祥丸)


気の流れ


人は無我の境に入れば、相手の動きを正しく察知することができるようになる。この直覚力は武道において特に必要とされる。先人は「先々の先」「先」「後の先」などということを述べているが、これは意識してやるのではなくて、自然に無意識に出来なくてはならぬ。すなわち彼我、勝敗を超越した絶対不動の心から発する、一体和合の気の流れにより、自己の動きの中に相手を入れてしまう至妙境において、何の分別をはさむ余地もなく、機に応じてすらすらと出て来る動きをいうのである。かくして自己の動きに相手が自然と知らず知らずついて来るようになるのである。彼の有名な兵法者鬼一法眼もことことについて、「来らば即ち迎え、去らば即ち送る。対すれば和す。五五住なり、二八十なり、一九十なり。即ちこれを以って和すべし云々」という言葉で表現している。これは、気の流れに従って体を裁いて行く動作の表現であって、相手が来るのを待っていて迎え、然る後送るのではなく、相手が出て来なくてはならぬ気持ちにまで追い込み、これを捌いて行く極処を説いているのである。こうした気の流れについて、言うは易いが、真の会得は勿論一通りや二通りの修業で得られるものではなく、先ず姿勢、間合い等形を正しくすることから始めて、不断の鍛錬により遂にはあらゆる面が渾然一体となる境地に達するのである。(「合気道」 植芝吉祥丸)


2012年12月19日水曜日

沖データ不正会計処理


A氏は経営者として高い評価が固定化しており、同氏に対し疑問をぶつけることや、同氏の方針と異なる提案をすることは容易ではなく、実際、同氏の反対を排して、計画を実践するということはほとんどなかった。

組織的にOSIBの不適切な会計処理を隠蔽しようとしたことは認められないものの、当時社長であったE氏がその深い問題性を認識しながら、結果として、途中でその処理を放棄するような形になったことは極めて不適切であり、ODCもその点に対する非難を免れることはできない

最終的にそこまでA氏を不適切な会計処理に駆り立てた真の理由を明らかにすることはできなかった。

会計監査人等に会計処理の適切性について相談することなく漫然ととその報告を受け入れたのは、適切な判断とは言い難い。これは、関係者において実態を直視することにより問題が明瞭になることを避けようという考えが働いた可能性が否定できない

(当社海外連結子会社の不適切な会計処理に関する調査結果等について 平成24922日 沖電気工業㈱ 平成24911日 沖電気工業㈱外部調査委員会)

2012年12月15日土曜日

沈肩墜肘(ちんけんついちゅう)


両肩を落として下に沈め、あらゆる動きの中で常に肘(ひじ)を下を向ける。
呼吸法で腕を上げるときも、肩を下に沈める。肘を横ではなく下に向ける。

意識的に両肩を落とし、肩で胸部の背骨を骨格上ロックする位置を探る。背骨がロックされると猫背にならない、猫背になろうとしてもなれない。

弓道の型で稽古をする
引き分け(弓を引く)の後の三分の一のところで静かに気息を丹田に収める
会(かい)とは、弓を引ききり、矢は的を狙い、矢を射る寸前の状態、およびその境地(含胸抜背、沈肩墜肘)
離れ(はなれ)とは、矢を放つ、放たれること


2012年12月13日木曜日

含胸抜背(がんきょうばっぱい)


含む(涵)とは、物事を包容できるように空間を作る、余裕を持つ 柔らかく保つこと。
胸を含ませるとは、胸部にある心臓と肺の動きに余計な制限を与えないこと。
胸は張らない、胸を割らない(胸は開かずに閉じる)。 「胸襟を開く」のは、心を許した特別な状態でのみ行なうもの。
胸を張る、胸を割ると両肩が後ろに引ける(正しい姿勢は、両肩は後ろに引くのでなく、下げる)。
また、胸を割ると背骨が後ろに反って、背骨が真っ直ぐでなくなる。
「背を抜く」とは、気が背中のラインを淀みなく抜ける(流れる)ように背骨を真っ直ぐにすること。

2012年12月10日月曜日

分析の視点


(1)物事の仕組みをコンヒ゜ュータの機能に置き換えて考える

   入力、演算、制御、記憶、出力、

   事柄、事象を見る場合は、現象としてのOUTPUTだけを見るだけではなく、
   INPUTも見て、それがどのように演算、制御、記憶されてOUTPUTとして表れているかを見る。


(2)分析の「視点」を具体的な言葉にする。

   経済性、有効性、効率性、信頼性、安全性
   目的適合性、適時性、利便性、有用性、操作性、機能性、拡張性