2015年10月22日木曜日

大野智

大村さんの評伝『大村智 2億人を病魔から守った化学者』著者の馬場錬成氏は言う。


「大村氏には〝研究勘とでもいうべき独特の才能が若い頃からあったように思います。ご本人に聞いても『何かある』としか言わないけれど、傍から見ると人生の岐路で意外な決断を下している。ポリシーが〝人真似はしない〟であるというのもうなずけます」
山梨大から北里研究所へ移って、猛烈に研究し、米国での研究留学へと飛び立った。そして持ち前の独立心と負けん気から、独自の研究スタイルを築き上げる。研究費も含めて「自分の食い扶持は自分で稼ぐ」という、通称「大村方式」がそれだ。再びご本人の弁を引こう。
「まず企業から研究資金の支援を得て、有用な化合物を見つける。そして発見した化合物の使用権を企業に渡す。企業がその化合物を実用化・販売したら、その売り上げに応じて特許料を私の研究室に入れてもらうというものです。
私はイベルメクチンで得た特許料で病院を建てました。世界中訪ねても、特許料で病院をつくった大学の先生というのは私だけかもしれません」
「週刊現代」2015年10月24日号より





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